株式投資で成功し、億超えする資産を築いた投資家をメディアで見て「そんな風になれたら」と憧れたことはないだろうか。億の資産を築いた人たちの中には、デイトレーダー(デイトレードをする人)として資金を回転させることで小さな資金を大きくすることに成功した人たちが一定数存在する。
デイトレードは1日中、パソコンに張り付いて取引する必要があるので、日中働く会社員や自営業者にはまず無理な投資のスタイルといえる。しかし、そんなデイトレードにスタイルが近く、会社員でも余裕をもってできる「スイングトレード」と呼ばれる投資のスタイルがあるのをご存知だろうか。
スイングトレードはだれでも気軽に始めることができる上、売買に使う時間はもっぱら夜だけで良いので、昼間仕事をしている人でもできるのが最大の特徴だ。
ここではスイングトレードのメリット・デメリットややり方、注意点などを解説していきたい。
デイトレードにはない利点をもつ短期投資「スイングトレード」
短期投資には大きく分けて2種類ある。一つが1日で売買を完結させるデイトレード、もう一つが2日から1週間程度で株を売買するスイングトレードだ。
短い期間で株の売買をすると聞くと、まずはデイトレードが思い浮かぶかもしれない。ずらりと並んだモニターを真剣に眺める投資家の姿を見たことがある人も多いはずだ。しかし短期投資派にはスイングトレードをする人も多く、スイングトレードにはデイトレードにはない利点がたくさんある。例えばデイトレードのように日中パソコンに張り付く必要がないので、仕事をしたまま株の取引ができる。収入源が2つあるということであり、これはデイトレードにはない非常に大きい利点である。
他にも、スイングトレードは2、3日株を保有するのが当たり前なので、銘柄を当てた時の利益幅がデイトレードよりも大きくなる。またデイトレードのように頻繁に売買をしないので手数料も少なくて済む。スイングトレードには利点が多いのである。
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他にもスイングトレードにはこんなメリットが
本来の投資スタイルである長期投資と比較しても、スイングトレードにはメリットとデメリットがある。その違いに焦点を当てながら解説していこう。
【メリット】
- 株価の値動きに着目するため、企業業績を分析する力は低くても大丈夫
- 夜に株の売買の方針を作るので日中忙しい会社員や自営業者でも可能
- 長期で株を保有しないため、業績悪化や市場環境の悪化などの影響を受けない
- 資金を効率良く回転させることができるので、資産の増え方が早い
【デメリット】
- 長期保有で得られる株価の大幅な上昇を得ることができない(いわゆる10倍株を掴めない)
- 値動きに注目する分、企業業績の分析スキルが身につかない
- 株式を回転させる分、長期投資に比べると手数料を取られる
スイングトレードの始め方の3つのステップ
ステップ1.証券口座を作ろう
スイングトレードを始めるにはまずは口座を開くところからスタートだ。手数料が安く、使い勝手の良い取引ツールを提供している証券会社に口座を作ろう。ちなみに筆者はスイングトレードを行うことも多いが、以下の証券会社の口座を利用している。
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
口座を開いたら、次は入金作業を行う。取り扱う銘柄にもよるが、最初は20〜30万円程度の入金を行い、1銘柄のみを売買することをお勧めしたい。
20万円から30万円程度で購入可能な株式でもスイングトレードであれば、10%程度(2〜3万)の損益が出ることはしばしばある。とにかく小資金ではじめて勝つ体験を積むことが大事である。
ステップ2.株を買ってみよう
次に実際に株を買う段階に入る。どんな株を買うのかはその時の相場状況によるが、買う銘柄の特徴はあらかじめ決められている。それは必要投資金額が低く、値幅の取れる株である。
10万円程度の投資で2、3万円の利益を出せる銘柄であれば、スイングトレード銘柄として合格点である。
もっとも企業規模が小規模(時価総額数十億円程度)であり、話題性のある企業などがこれにあたる。まずは相場ウォッチをして、よく動く株がどんな株であるのか感覚をつかむところから始めてもよい。
ステップ3.株を売ってみよう
買った株式は、売らないと利益にはならない。株の世界には「利食い千人力」という言葉があり、これは利益を確定して初めてその利益が自分のものとなるのだということを示している。ちなみに株を保有した状態で出ている利益を「評価益」、売って確定して利益を「実現益」という。
ちなみに損失が出ることもあるが、損失は引き伸ばさずに確定させて、次の取引へと移るのがスイングトレードにおいてはベターだ。
手始めにトレーニングモードで練習をするのがおすすめ
簡単に気軽に始めることができるとはいえ、まだ何も投資に触れたことのない人は自分のお金を使うことに抵抗がある人もいるだろう。
そこで最初はトレーニング(仮装売買)を行うことでスイングトレードのイメージをつけることをお勧めする(証券会社ディーラーなども実弾を扱う前に仮装売買を行っている)
仮装売買は、銘柄、株の数量、売りと買いの区別、取引した株価、損益を計算してどれくらい利益が残ったかを記録する。
トレーニングモードで売買をするアプリは今は証券会社始め、様々な投資系情報サイトで提供されているため、まずは手始めにそちらを試してみよう。
谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。著書に「超優待投資・草食編」がある
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