あなたは、毎日の生活を「無駄」なく過ごせていますか?1日24時間を有効に使えるかどうかで、人生の「生産性」は大きく変化します。自由な時間を確保した筆者の「時給思考」から、仕事やプライベートで好循環を生み出す術を学んでいきましょう。

(本記事は、金川顕教氏の著書『1時間で10倍の成果を生み出す最強最速スキル 時給思考』すばる舎(2017年11月25日)の中から一部を抜粋・編集しています)

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時給思考
(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

人生の生産性を上げる「時給思考」

僕は現在、自分の自由な時間をたっぷり確保し、その時間を満喫しながら、経済的にも満足いく生活を送っています。

しかし、数年前までは、会社員として朝9時から24時まで働き、自分の時間もなく、満足いく収入も得られていませんでした。

では、なぜ今、自分の満足いく人生を送ることができているのか?

それは、たったひとつの思考の転換によるところが大きいのです。

それが、「時給思考」という考え方です。

時給思考を身につけたことで、以前に比べ、自由な時間が増え、収入は10 倍以上になりました。以前のように、消耗するだけの人生から抜け出すことができたのです。

時給思考は、誰でも今すぐ持つことができます。

年収、月収、日給思考をやめて、自分の時給を意識する。1日、1週間、1カ月、1年といった長いスパンの時間感覚をやめるだけなのです。

1時間にいくらの価値を生み出すか、ということを考えるだけで良いのです。そうすることで、今、この瞬間の生産性が上がり、人生の生産性が上がります。

時給思考ができれば、ただ時間が流れていくということがなくなり、1時間あたりの価値を劇的に上げることができるようになるのです。

1時間で、大きな価値を生み出していくと意識することで、人生は、精神的にも経済的にも好転します。

「時給思考」で仕事もプライベートも好転する

時給思考がなければ、日々は無意味に過ぎていきます。ただただ、人生をこなすことになり、死を迎えるときに、なんの満足感もなく、後悔が残ってしまうのです。

時給思考がなければ、思考にも、行動にも具体性がなく、曖昧(あいまい)になるので当然でしょう。

「1年先にだいたいこうなれればいいな」という程度のぼんやりとしたイメージでは、何をすべきで、何をやらないべきかが明確になりません。

また、自分の稼ぎ出す時給が明確になっていなければ、時給以下の〝どうでもいいこと〟にまで、手を出してしまいます。

そうなると、やらなくていいことをやり、やるべきことができなくなるのです。時間は誰にでも与えられている資産ですが、有限で、あっというまになくなります。

その中でお金と時間に不自由しない理想のライフスタイルを実現していくには、あなたの1時間あたりの価値を最大化する必要があります。その手法を僕の経験からお話ししていくのが本書です。

「もっと自分の時間を謳歌したい」
「もっと経済的に豊かになりたい」

そんな人は、時給思考を持つことで、現状を打開し、劇的に変えることができるでしょう。時給思考になることで、思考と行動の質が格段に高まるからです。

時給思考さえあれば、今どんな状態でも、必ず成長できます。仕事でもプライベートでも好循環が生まれます。

1時間という時間を大事にする人こそ、成功と幸福を手に入れることができるのです。

時間が何よりも大事

時給思考ができないと、自分が本当に欲しい成果を得ることができません。

1時間の価値を意識せず、ただ漫然と日々を過ごしていれば、何も手に入れられないし、欲求が叶えられることはないのです。

時給思考ができない人は、時間の大切さ、価値に気づいていないのでしょう。

「能力があれば、人生が変わるのに……」
「お金さえあれば、自分にもチャンスが巡ってくるのに……」
「もっと頭が良ければ、理想を実現できるのに……」

このように、時間以外のものにフォーカスをし、それらに価値を置いているのです。

しかし、時間より大切なものはありません。

時間に価値を置けない人は、自分から積極的に行動することができません。受け身の人生を送るので、言い訳思考で、他力本願なのです。これでは、人生の目標は一生達成できないでしょう。

僕は、何よりも時間が大事だと考えています。時間があれば収入を増やすこともできるし、スキルも伸ばせます。

今、どんな境遇でも、時間さえあれば人生を良い方向に導くことができるのです。極端に言ってしまえば、時間があればなんでもできてしまいます。

時間さえあれば、本も読めるし、勉強もできる。人生を変えることだってできます。時給思考ができない人は、この点をしっかりと理解していないので、そもそも時間が大切だと思っていません。

多くの人が、〝タイムイズマネー〟という格言を知っています。子どもの頃から親や教師に教えられているからです。

しかし、僕はこう言いたい。〝タイムイズマネー〟ではなく、〝タイムイズライフ〟。

タイムイズマネーくらいにしか考えていないから、時間の価値を低く見積もってしまうのです。

タイムイズライフ。時間とは、命。時間とは、「命」と同等のものなのです。

あなたの時間を奪う人=殺人者

結局、誰もがいつかは死にます。死ぬまでの時間があなたに残された「命」です。

誰にでも平等に与えられている資産が、1日24時間という時間。お金持ちの家の子どもも、そうでない家の子どもも、平等に与えられているものは時間しかありません。

ただし、その貴重な時間という資産は、死というゴールまでしか与えられない、有限なものなのです。

あなたの時間を奪う人は、誰であろうと〝殺人者〟と同じようなものです。そう考えると、もっと時間に価値を感じることができるのではないでしょうか。

お金以上に大切なものが、時間。成功している人は、この大原則を肝に命じているから、成功者なのです。

逆に、時給思考ができない人は、時間よりお金が大事だと考えています。なぜなら、お金は無条件では与えられませんが、時間は無条件に与えられるからです。ただ漫然と行動していると、時間は大切にできません。

「今月は長いな」と感じていたり、「忙しくて、今月はただただ時間に流されて生きていた」というのは、時間を大切にできていない証拠です。

時給思考に変わることで、時間を本当の意味で大切にすることができるようになります。

人生を1時間ごとで考えられたら、行動に曖昧さはなくなります。

たとえば、16時からこうしよう、17時からはこうしよう、18時からはこうしようとしっかり1時間ごとに何をするか細かく考えながら行動するようになるからです。

曖昧に人生を生き、行動してしまう人は、1日や1週間、1カ月、1年、3年、5年、10年という長いスパンで物事を考えてしまいます。

これでは、具体性がなく、人生に緊張感もなく、今を大事に生きるということもできません。

だから、人生の目標を達成するためには、1時間単位で物事をとらえ、1時間単位で行動する時給思考が必要なのです。

あなたの1時間あたりの価値を高めるには、時給思考をするのが王道で近道なのです。

「1時間の時給」を明確に

なぜ、今の時代に、時給思考という考え方が必要なのか――。

年収や月収という、長いスパンで物事を考えると、人生に無駄が増えるからです。つまり、思考と行動に無駄が生まれます。

たとえば、1日8時間、月に160時間働き、月収で20万円もらうということは、よく考えるとぼんやりしている部分があるのです。

1カ月20万円だから、これをしておけばいいな、では行動の質は下がります。

1時間の時給を知って、自分の価値をより具体的に、明確にすることで、時間を大切にすることができるのです。1秒、1分、1時間の生産性を高めることができるのです。

これだけの時給と同等の価値を生み出さなければならない。だから、今月はこれとこれをやらなくていけない。

では、これをやるためにはこれをやらなくてはいけないし、これはやらないべきだ。 このように、思考と行動を深堀りしてこそ、時給思考が身についていきます。

より具体的な「数字に置き換える」ということをしたほうが、無駄がなくせたり、思考と行動の質を高められるのです。

したがって、年収や月収で考えるよりも、時給ベースで考えたほうが、より良い仕事ができます。

「1日24時間」を可視化する

時給で物事を考えるためにはどうすればいいのでしょうか?

それには、自分が1日24時間を何に使っているか、可視化することです。僕は、時間には、4つの種類があると考えています。

1つ目が、最低限必要な時間。

睡眠、食事、通勤、就業時間などがこれに当たります。これは、生命にも関わるし、どうしてもやらなくてはいけないことなので、切り崩せないものです。無駄だと思っても、なかなか減らすことができません。

2つ目は、達成のための時間。

達成したいこと、やりたいこと、夢などの、自分はこうなりたいという前向きなことに対して使う時間です。効率化は必要ですが、この時間は減らせないし、減らしてはいけません。

3つ目は、楽しむ時間。

たとえば、焼肉が好きだったらそれを食べに行ったり、家族でどこかへ行ったり、といった、自分が好きなことをする時間です。これは、頑張れば減らすことができますが、精神的な苦痛が伴うので、誰もがなかなかできません。

そして4つ目が、無駄な時間。

これは、文字通り、無駄なことをしている時間です。簡単に言ってしまえば、「なんでこんなことをしてしまったんだろう」という時間です。

典型的な例が、意味もなくネットサーフィンをしていて3時間もたっていた、というような時間の使い方でしょう。

削るべき時間は、この部分です。やらなくてもいいことをやっている時間で、結局あとあと後悔する時間だから、精神的苦痛も少なく削ることができます。

この時間を減らし、2つ目の時間(達成のための時間)を増やすことで人生は理想の方向へ向かいます。

時間には、この4つの種類があると知れば、〝タイムイズライフ〟を意識することができるようになるのです。

この4つをしっかりと認識して、時給思考を持つことで、望む成果は出るようになっていきます。なんとなく時間をただ過ごしてしまう、という場面を最小に減らすことができるのです。

4つの時間のバランスを保てば、人生の質も上がる

まずは、この4つの時間に自分がどのくらい時間を使っているかを明確にしてみましょう。自己分析、チェックするのです。

4つ目の時間(無駄な時間)を減らし、2つ目の時間(達成のための時間)を増やす――。それが成功を手にするためには必要不可欠です。

なのに、「自分が何に時間を使っているのか」を知らない人が多すぎる。なんとなく1日を終わらせている人が驚くほど多いのです。

僕自身、この4つの時間があることを知って、昔から時間の使い方をしっかりと考えていれば、もっと早く今の生活を手に入れることができたと思います。もっと早く目標を達成できたし、人生の質を上げられたでしょう。

2つ目の時間(達成のための時間)でやるべきことを終わらせたら、あとの3つの時間では何をやっても良いのです。

やるべきことさえできたのなら、趣味を楽しんでもいいし、極論すれば、ただただソファで休んでいてもいいのです。

どういうふうに時間を使っているか、をチェックすることは、時給思考を自分の中にインストールするためには非常に大切です。

時間の使い方を知れば、将来についてのビジョンもイメージできるようになります。

「自分の時給を今後いくらにしたいのか」「今は時給◯円だけど、今後どうなっていきたいか」ということも考えられるようになります。

こういう仕事がしたい、こういう会社に入りたい、こういう部署で働きたい――将来の目標や夢、願望は人それぞれですが、頭の中でイメージできることが実現しやすいのは間違いありません。

自分がどれくらいの時給を稼いで、どんな生活を送りたいのか。それを考えることができれば、今後、仕事や人生プランとの向き合い方も変わっていくでしょう。

あなたが望む理想のライフスタイルを手に入れるのも夢じゃなくなるのです。

通勤時間で4万円も損をしている悲劇

あなたの時間を搾取する代表的なものが、「通勤時間」です。とくに、通勤電車の中は、圧倒的に生産性が低いでしょう。

電車の中で、本を読んだり、スマホで情報収集できるから、そんなことはない!という意見もあるかもしれません。

しかし、よくよく考えると、電車の中より、家やカフェ、職場といった場所のほうが、より集中できますし、仕事の仕上がりが良くなるのは明らかです。

僕は、衣食住の中で、一番お金をかけるべきは「住」だと考えています。つまり、住む場所にはこだわるべきです。

住む場所が会社から遠いだけで、多くの時間を無駄にすることになります。時給思考をしたいのなら、会社の近くに住むべきです。

お金がないから、または、もったいないから引っ越せない、という人もいるでしょう。しかし、住む場所にこだわらないことで、逆にお金を無駄にしていることは多いものです。

たとえば、毎日、通勤時間に1日往復で2時間かかっていたとして、あなたの時給が1000円だとしたら、通勤で1日2000円のお金を損していることになります。

月に20日間勤務だとすれば、4万円も損しているのです。そう考えると、3万円くらい家賃が高くなっても職場の近くに住んだほうがいいのではないかというのが僕の持論です。

通勤時間が減れば、その時間で、やりたいこと、やるべきことができるようになるので、会社の近くに住んだほうが、より時給を上げられるのは間違いありません。

会社まで片道1時間ほどかけて通勤するという人は多くいます。むしろ、そういう人のほうが多いでしょう。

しかし、1日2000円で月に4万円が生産性もなく浪費されていると考えたら、会社の近くに住んで、節約できた時間で勉強をしたほうが満足度が高いはずです。

そのほうがやりたいことも、やるべきこともできるから、人生の目標を達成するための成果は出やすいのです。

残業をやめれば、時給は上がる

僕が時給思考を身につけ始めたのは、ダブルワークをするようになってからです。 会社に勤めながら、ビジネス(副業)を始めたころから、時間を大切にするようになっていきました。

要は、会社員の仕事が忙しかったので、やりたいビジネス(副業)にかける時間が少なかったのです。

9時から24時まで働きながら、「このビジネスの売り上げを上げたい」「副業から進化させて、起業をするにはどうすればいいのか」となったときに、1時間単位で何をやるべきで、何をやらないべきか、と時給思考で考えるようになりました。

そこからは、残業したら時給が下がることがわかったので、できるだけ仕事を早く終わらせて帰るようになっていきました。

時間が足りない人、仕事が早く終わらない人、新しく副業やビジネスをやりたい、といった目標がある人は、残業をやめるべきです。

時給で考えると、残業をやめて、その時間で新たなビジネスをしたほうが時給は上がるのです。

「情報を選ぶ作業」は時間を浪費する

僕は、新聞も読まないし、テレビのニュースも観ないようにしています。その理由は、ニュースの情報は歪んでいると考えるからです。

新聞社もテレビ局も、情報を自分の都合のいい結論に導くように発信することがあると言われています。

また、少数であることは間違いありませんが、記者の中には取材に基づくものではなく、想像で記事を書く人がいることもあるようです。

メディアも企業であることは間違いなく、自社の利益を追求することが目的なので、良い悪いは別として、発信する情報にある程度バイアスがかかることは当然だと言えます。

また、新聞やテレビは、ピンポイントで欲しい情報が得られません。相手が流してくる情報の中から、欲しい話題を選ぶという作業が必要で、受け身で情報を得ていくことになります。これはこれで時間を浪費するのです。

こう考えていくと、新聞、テレビの情報で恩恵を受けることはないと思っています。時給を高める効果的なことではないのです。

「作業」をしてはいけない

僕はもともと監査法人に勤務していました。年収は入社1年目で600万円、30歳で1000万円、40歳で2000万円――。悪くない給料です。

とはいえ、永遠に会社員でいるつもりはなかったので、将来やりたいビジネスを立ち上げるために、あるとき、副業を始めました。

副業を始めて4カ月。600万円を稼ぎ出すことができました。それも、会社員として働く時間より、短い時間で達成したのです。

このときには、もう時給思考を持っていましたので、より時給を高めるにはどうすればいいのか、常に突き詰めて考えていたからこそ生まれた成果だと思います。

副業の時給が会社員の時給を超えたとき、僕は会社を辞めました。年収600万円を超えたタイミングは、プレイヤーを卒業したときです。僕は、作業者から教育者に変わったのです。

僕がビジネスを学んだ人がこう言いました。

「今はコミュニティの時代。1人でなんでもこなすべきではない。チームで動くんだ。もうあなたは作業をしてはいけない」

この言葉には衝撃を受けました。600万円の収入を得た、副業開始から4カ月目までは、家に帰ったらひたすら作業をしていたからです。

プレイヤーを卒業する

作業をしていたら時給は上がらない。この事実を知ってから、僕はさらに成長できたように感じています。

「自分がやっていることを他人に教えなさい。そして、他人にやってもらいなさい」

簡単に言うとこういうことです。

もし、ブログで収入を得ている人がいたら、自分の代わりにブログを書いてくれる人を探して、その人に教えて書いてもらいなさい。

自分が今、5記事書いているとすると、その方法を30人に教えれば150記事集まる、と。

プレイヤーをやめて、ビジネスの仕組みをつくる人間になると、より時給は高まるのです。

時給思考を持ち、理想の人生を歩んでいる時給が高い人は、稼ぐ仕組みをつくり、他人に教えて、作業してもらう人。

つまり、ロバート・キヨサキ氏の『金持ち父さん 貧乏父さん』(筑摩書房)でいう、ビジネスオーナーか投資家こそが、時給の高い職業なのです。

僕は副業で600万円稼ぎ、そのタイミングで起業しました。そこからは、プレイヤーをやめ、ビジネスの仕組みをつくる人間になっていきました。

会社をつくって1年目で年商4400万円。2年目で8000万円。3年目で1億3000万円。4年目が7億円となりました。5年目の今期は、年商10億円が視野に入ってきました。

時給思考を持つことで、ここまで短期間で成長できるのです。会社に属し、今の仕事にやりがいを感じているのなら、それももちろんいいでしょう。そういう信念を持ち、突き進む人を僕は尊敬します。

一方で、昔は終身雇用で働くというのが常識でしたが、今はそれが少し変わってきています。会社組織に属していると、いくら成果を出しても給料の大幅な上昇もほぼありません。

そう考えると、自分のやりたいビジネスで起業して、仕組みをつくる経営者になることを目指すのも、素晴らしい生き方なのではないかと思います。

本書を読んでいるあなたは、時給思考を持ちながら生きていこうと考えている人です。時給が高い人は、ビジネスオーナーか投資家。僕は、これを目指してもらいたいです。

金川 顕教(かながわ・あきのり)
三重県生まれ。東京都港区在住。偏差値35から大学進学を志し、2浪の末、立命館大学に入学。在学中に公認会計士試験に合格、会計事務所デトロイト・トウシュ・トーマツグループである有限責任監査法人トーマツに就職。新入社員から毎日の激務をこなしながら起業のための勉強を開始、給料の10倍を稼ぎ出し、軌道に乗ってきた2013年に独立。4年間で約9億6千600万円を売り上げる。