「Tik Tok」(抖音短視頻/ティックトック)は日本でも旬のアプリの一つである。若者たちの新しいSNSとして存在感を増している。このTik Tokは中国発祥である。彼の地では日本以上の大ブームとなっている。月間アクティブユーザーは3億人を超え、毎日利用するヘビーユーザーは7000万人に接近している。「界面」「新華網」などのネットメディアがその発展ぶりを伝えている。詳しくみていこう。

Tik Tokの運営会社は「今日頭条」

中国経済,アプリ,ティックトック
(画像=Webサイトより)

Tik Tokとは、15秒のリップシンク(口パク)動画SNSである。官製メディア「新華網」によれば、若者の情緒、感性、悟性、日々の生活の記録に、新しいスタイルをもたらしたという。

最初にTik Tokの歴史をたどってみよう。最初にこのスタイルを世に出したのは、Musical.ly(ミュージカリー)であった。2014年、陽陸育、朱駿という2人の中国人によって設立され、上海とサンフランシスコに拠点を置き、世界展開に注力した。

Tik Tokは、2016年、その後追いで展開を開始した。この両者とも中国発祥のサービスだが、差異はそのバックにあった。Tik Tokは、北京宇節跳動科技有限公司が実質運営している。日本では英文名のByteDanceとして紹介されることが多い。

中国ではニュース、情報サイト「今日頭条」として広く周知されている。IT巨頭のBAT(バイドゥ/百度、アリババ、テンセント)に次ぐ存在、TMD(T=Tutiao/頭条、M=Meiduan/美団・生活サービス、D=Didi/滴滴出行・配車アプリ)の一角として、今をときめく存在である。資金力はまったく違う。

2017年11月、今日頭条は10億ドルでMusical.lyを買収した。以後2つのサービスは統合へ向かう。

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日本とは違い“権威機構”が大挙参入

日本のWEBサイトを見ると、Tik Tokの評価は高い。15秒と短いためYutubeに比べ、投稿、視聴ともに参入障壁が低い。動きに音をはめるため、言語の壁がない。共有し、模倣して楽しめる。などを優れた点として挙げている。純粋に個人用このようにのツールである。

しかし中国では少し様相が変化してきた。これまでの主力ユーザー層18~24歳に加え、24~30歳にも浸透し、彼らがユーザー全体の40%を占めるようになった。Tik Tok幹部によると、これは作品の高度化に支えられているという。昨年8月以前は、音楽やダンスを表現する内容が50%を超えていた。今では全19カテゴリーのうち、音楽、ダンス、美食、動物、スポーツ、親子、旅行などは、それぞれ5%前後である。

直近の成長を支えたのは、実は個人ではなく、政府機関やメディアである。彼らが投稿を始めたのだ。例えば特別警察隊、北京SWATである。彼らの狙撃や実戦演習の投稿は、12時間で250万の「いいね!」と7万の評論を集めた。また「中国陸軍角逐漠北草原、上演鋼与火之歌」も100万の「いいね!」を獲得している。

今では政府機関とメディアの参入は500を超えた。中には「人民網」「央視新聞」「国有資産監督管理委員会」などの“権威機構”も混じっている。

課題は低俗との戦い

中国は海外のSNSを規制している。インスタグラムもその例にもれない。それに代わるフォトソーシャルメディアは、あることはある。「好賛」「楽乎」「糖水」などである。しかしそれらの存在感は薄い。中国人の関心は動画SNSに向かっているからだ。

「抖音」をはじめ、「快手」「斗魚」などの動画アプリが台頭している。抖音は個人と世界を簡単につなげる一方、政府機関も利用するなどソーシャルとしての存在感を急速に増しつつある。

課題は“低俗”との戦いとされている。当局の嫌う“低俗”な内容を、どこまで自主的に排除できるかだ。抖音は今年5月にこれまで2万6356本を削除、2万1786の会員ナンバーを永久封鎖した。ここでうまく“整頓”できなければ、当局は介入してくる。

中国青少年研究センター幹部は、教育や青少年の健康に悪影響を及ぼさないよう、規範を確立すべきだと提言している。

このように世界的影響力増すTik Tok(抖音)から、目を離すことはできない。その一方、日本発の世界的プラットフォームの登場も待ち遠しいのだが、実現の日は来るのだろうか。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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