中国経済,Amazon,アリババ,宅配,小売り業
(画像=Amazon.cn Webサイトより)

目次

  1. 攻勢へ活発な動きを始めたアマゾン中国
  2. アリババの本拠地・杭州市で越境Eコマースを推進
  3. 青島市を基点にAWSを展開
  4. アマゾンの攻勢は実を結ぶか?

攻勢へ活発な動きを始めたアマゾン中国

アマゾン中国の関わる2つの会合が2018年6月下旬、南北(杭州市、青島市)で開催された。新たに中国戦略責任者の招聘情報も報じられた。アマゾンの動きは活発化しているようだ。

中国のネット通販市場は2017年、1兆1000億ドルと米国の倍以上を売上げた。しかし、中国の大手マーケットリサーチ会社iResaerchのデータでは、アマゾン中国のシェアは2%にも達していない。動きの活発化は、打倒アリババへの狼煙なのだろうか。

「新浪科技」「大衆網・青島」などのサイトが、アマゾンの動きや狙いについて詳しい内容を伝えている。

アリババの本拠地・杭州市で越境Eコマースを推進

浙江省・杭州市で開催されたのは、亜馬遜全球売家直採大会(アマゾン世界サプライヤー=バイヤー商談大会)。。それに先立ってアマゾンは、前年10月“杭州越境Eコマース園”を開設している。アマゾンの越境Eコマース「全球開店(global selling)」への参加を促すためである。それ以来初めて米国、欧州、東南アジア諸国のバイヤーを招き、商談会を行ったのである。全世界から5000名のバイヤーが集まり、中国側は、8大商品分類400社のメーカーが参加した。自動車部品、電子製品、厨房用品、家庭用品、日用品、服装、靴・服飾、工具、事務用品である。

これはアマゾン主導による、未来の越境Eコマース市場の形成を目指したものだ。例えばある竹原料の家具メーカーは、長期にわたってOEM形式の輸出によってのみ欧米市場にアクセスしていた。それがアマゾンの越境Eコマースに参加することにより、新しい世界販売のチャンネルを得た。このようしてメーカーの潜在力を引き出していくのが目的だ。

アマゾンによると、2016~17年、「全球開店」は猛烈なスピードで成長した。中国の越境Eコマースも同様で、12年に1兆8600万元だった売上規模は、17年には6兆3000億元にまで拡大している。20年にはさらに倍の12兆元になると見込まれている。

杭州市政府も越境Eコマースの発展に向け、アマゾンとの協力関係をより一層強化する姿勢だ。アリババ本社のおひざ元で、このような動きが行われていたのである。全世界で販売できるという魅力は、何ものにも替え難い。地元の杭州では、ほとんど万能と思われたアリババだが、唯一の弱点を突かれた格好だろう。

青島市を基点にAWSを展開