IPO Report
(画像=ZUU)

【目次】
①テノ.ホールディングスIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【12/13更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【12/10更新】 ※有料会員限定

会社名
株式会社テノ.ホールディングス
コード
7037
市場
マザーズ
業種
サービス業
売買単位
100株
代表者名
池内 比呂子 /1959年生
本店所在地
福岡県福岡市博多区上呉服町10番10号
設立年
2015年
従業員数
24人 (2018/10/31現在)(平均37.6歳、年収415.3万円)、連結1643人
事業内容
直営保育所・受託保育所の運営、幼稚園や保育所に対する保育士派遣、ベビーシッターサービス・ハウスサービスの提供、tenoSCHOOL(保育士養成講座など)の運営
URL
https://www.teno.co.jp/
株主数
10人 (目論見書より)
資本金
90,000,000円 (2018/11/27現在)
上場時発行済み株数
1,460,000株(別に潜在株式65,400株)
公開株数
402,500株(公募350,000株、オーバーアロットメント52,500株)
調達資金使途
公的保育事業における設備資金
連結会社
2社
スケジュール
仮条件決定:2018/12/04→1,870~1,920円に決定
ブックビルディング期間:2018/12/05 - 12/11
公開価格決定:2018/12/12→1,920円に決定
申込期間:2018/12/13 - 12/18
払込期日:2018/12/20
上場日:2018/12/21→初値2,400円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:野村證券
引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
引受証券:みずほ証券
引受証券:FFG証券
引受証券:西日本シティTT証券
引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
大株主
(株)夢源 500,000株 42.54%
池内 比呂子 382,800株 32.57%
ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合 150,000株 12.76%
三菱UFJキャピタル5号投資事業有限責任組合 50,000株 4.25%
土屋 悦子 9,800株 0.83%
福士 泉 9,800株 0.83%
吉野 晴彦 9,000株 0.77%
古谷 勇樹 4,600株 0.39%
平田 智美 4,400株 0.37%
古賀 光雄 4,000株 0.34%
田中 隆一 4,000株 0.34%
清井 義文 4,000株 0.34%
業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
2016/12 連結実績 4,776 74 89 49
2017/12 連結実績 6,678 140 152 96
2018/09 連結3Q実績 6,848 153 118 75
ロックアップ情報
池内比呂子、株式会社夢源、土屋悦子、福士泉、吉野晴彦、古谷勇樹、古賀光雄、田中隆一、ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合、三菱UFJキャピタル5号投資事業有限責任組合は上場後90日目の平成31年3月20日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
7億7280万0000円(402,500株×1,920円)
潜在株数(ストックオプション)
65,400株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
テノ.ホールディングス<7037>は、純粋持株会社である同社及び連結子会社2社から構成される、公的保育所の運営、受託保育所の運営などを行う福岡市に本社を置く企業グループである。

ベビーシッターサービスやハウスサービスの提供を目的として、1999年に事業を開始している。

2018年8月に上場承認がなされたが、9月に「コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性」について新たに確認すべき事項が生じたとして、東京証券取引所より上場の承認が取り消されている。今回改めての公開申請となる。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■公的保育事業について
公的保育事業では、主に国の課題となっている待機児童解消に貢献することを目的に事業展開している。

7月31日時点で下記の施設を直営で運営中である。

・認可保育所47施設
・認証・認定保育所等6施設
→地域別:首都圏35施設、九州エリア13施設、関西エリア5施設

一部の保育所を除き、「ほっぺるランド」というブランド名で、認可保育所や認証・認定保育所等を展開している。


■受託保育事業
近年は病院や企業等が事業所の中で保育所を開設するケースが増加している、同社の受託保育事業では、病院や企業等が保育所を開設する際に、その運営の受託を行っている。事業所の中には、国や自治体から助成金を得て、保育所を運営するケースもある。

7月31日時点で下記の施設の運営を行っている。

・受託保育所141施設
・学童保育所32施設
・わいわい広場(※)24施設
→地域別:九州エリア187施設、関西エリア6施設、首都圏4施設

※わいわい広場 福岡市放課後等の遊び場づくり事業実施要項に基づき、放課後等の学校施設を利用して自由に遊びができる場や機会をつくる「福岡市放課後等の遊び場づくり事業」の通称。

■その他
その他事業として幼稚園や保育園等に対する保育人材の派遣、ベビーシッターサービスの提供、ハウスサービスの提供等を行っている。

ベビーシッターサービスでは、生後2ヶ月から12歳までの児童を対象にサービスを提供中
保育士・幼稚園教諭等の有資格者及び同社グループが運営する「ベビーシッター養成講座」修了者に限定しており、品質の高いサービス提供の維持・向上に注力している。

尚、2017年11月に他社より幼児教育派遣事業の譲受を受けている(現金47百万円での事業買収)。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■部門別推移
各部門別の売上高は下記のように推移している。

2016年12月期 売上高48億円
・公的保育事業 29億円
・受託保育事業 17億円
・その他 2.0億円

2017年12月期 売上高67億円
・公的保育事業 44億円
・受託保育事業 21億円
・その他 2.2億円

2018年12月期(予想) 売上高94億円
・公的保育事業 57億円
・受託保育事業 32億円
・その他 4.5億円

公的保育事業、受託保育事業のいずれも増収を重ねている。事業規模としては公的保育事業が最大である。

尚、その他事業について事業譲受の効果もあり、2018年12月期は対前年同期比で約2倍の増収の予定となっている。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業推移
2016年12月期 売上高48億円、経常利益0.9億円、当期純利益0.5億円
2017年12月期 売上高67億円、経常利益1.5億円、当期純利益1.0億円
2018年12月期(予想) 売上高94億円、経常利益2.6億円、当期純利益1.5億円
※2015年12月期が持株会社としては設立第1期(数字過少のため決算数字は記載せず)

増収増益を重ねており、当期(2018年12月期)は売上高94億円と100億円の売上高目前の水準の達成を予想している。

当期はQ3(累計)で売上高68億円、経常利益1.2億円であり、予想に対する進捗率は売上高73%、経常利益46%となっている。

経常利益の進捗率がQ3で46%に留まっており、通期予想の達成がなされるか注目される。


■財務状況
2017年12月期時点で、総資産合計52億円に対して純資産合計6.5億円であり、自己資本比率は13%。借入金35億円に対して、現預金12億円となっている。

公的保育事業、受託保育事業いずれも施設数を増やしており、借入金にて施設の資金手当てをしている状態である。施設数の増加を背景に、貸借対照表上の建物及び構築物規模も増加しており2017年12月期では両者で13億円の規模である。

尚、長期貸付金が7.2億円存在しているが、内容としては施設建設にともなう建設協力金となっている。


■資金使途
IPOにより17億円の資金調達を予定している。2019年12月期に開設予定の認可保育所(7施設)に総額23億円の支払を想定しており、本支払のためにIPOでの調達資金を充当する予定である。

23億円の内訳は、建設工事代金19億円、不動産の賃貸借に伴う敷金・保証金2.6億円、その他什器設備等1.7億円となっている。


■株主状況
第1位株主が池内社長の資産管理会社の夢源(株式シェア43%)、第2位株主が池内社長の33%であり、池内社長で70%以上の発行済み株式数を有している状態である。

また第3位株主のジャフコSV4共有投資事業有限責任組合(同13%)、第4位株主の三菱UFJキャピタル5号投資事業有限責任組合(同4.3%)の2社のVCが、株主として参入している。


■今後の注目ポイント