(本記事は、小林昌裕氏の著書『年収350万円のサラリーマンから年収1億円になった小林さんのお金の増やし方』SBクリエイティブ、2017年3月25日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

最初にこれをやってはいけない!

小林さんのお金の増やし方
(画像=LightField Studios/Shutterstock.com)

最初に手をつけるべきではないビジネスはあるのでしょうか?

答えはもちろん、あります。

むしろ、どんなビジネスも「最初にやるべきでない」に当てはまってしまうのですが、その中でも「絶対に最初にやってはいけない」ものがあります。

それらは土台として不安定などころか、下手をすると実践者の心を折り、二度と立ち上がれなくしてしまう危険性すらはらんでいます。

以下、順番に見ていきましょう。

(1)株式投資

将来性の高い企業を見つけて、その企業を応援したいと思って、長く保有してじっくりと配当を見込むというのが本来の株式投資のあり方だと思います。

短期でのお金儲けを目論むには相当な修練を必要とします。僕もやりましたが、全然うまくいきませんでした。

一番のデメリットは、売り買いのタイミングに自分の時間を使わなくてはいけないこと。

たとえば300万円を使って株式投資をしていると、10万円、20万円は上下しますから、本業中も株価の動きが気になってずっとソワソワしてスマホを見ていたりすれば、本業に支障が出ます。

信用取引(自分の資金や株式などを担保にして、証券会社からお金を借りて投資すること)にも手を出すと、持っているお金の何倍も得ることができる反面、破綻するリスクも高まります。

そのときの社会情勢によって株価は上下するので自分でコントロールできる部分が少ないし、勉強して生半可な知識でやっても、機関投資家や大きな資金を動かせる人たちの力にはかないません。

ですから、やらないほうがいい。少なくとも最初にやるべきではないというのが僕の考えです。

潤沢な資金があったり、安定したキャッシュフローがすでにあったりする人がしっかりと学んでから実践するのが理想です。

(2)FX(外国為替証拠金取引)

FXとは外国通貨を売買する投資商品のことで、これも株式投資と同様です。

機関投資家や資金力の大きい人たちの調整力にはかないません。

FXは海外のディーラーたちがその国の通貨でトレードしているので、日本の個人投資家が勝てる可能性は低いでしょう。

また、FXの最大の特徴は、取引会社に預け入れた証拠金(保証金)に対し、最大倍までの取り引きができる点です。

つまり、「レバレッジ」を相当かけられるということは、勝ったときはいいものの、負けたときのリスクも相当なものです。そのヤバさは株式以上なので、絶対にお勧めできません。

株式にしてもFXにしても、ほかのビジネスで毎月安定したインカムが入るようになってから、余剰資金でやってみるのであればいいと思います。

それでもやはり、時間は取られますし(とくにFXの為替市場は時間の取り引きが可能)、ほかのビジネスに支障を来たす恐れが大きいでしょう。

僕が株式やFXで儲けを狙うなら、その道のプロで使命感を持って株やFXの取り引きをやっている企業などに出資して配当をもらうほうがうまくいく確率が高いというのが結論です。

(3)投資信託

これは株式やFXと違って、投資資金がある程度は安定しています。

中には元本保証をうたうような商品もありますし、自分の時間を取られることもないですし、本業に支障を来たすようなこともないので、その点では悪くないでしょう。

ただ、安定しているだけに、今ではよっぽどの大きなお金を扱えない限り、短期間で大きな収入を得ることは難しいです。

長期的に見て安定した投資ではありますが、最初に種銭を作るための「ビジネス」としてはまったく向いていません。

(4)物販(転売)

物販(転売)は、うまくやればちゃんと稼げるビジネスです。僕も月間で40万円くらい稼ぎました。

ただし、オークションなどで仕入れと出品をし、さらに品出し(お客さんへの配送手続き)をするとなると、すごく時間を取られます。

僕は根性でこなしていましたが、サラリーマンと両立するのはかなり大変です。

僕は、仕事が終わって帰宅してから、毎日夜中の3時くらいまで、仕入れと出品、品出しの準備をやっていました。そうして夜中の3時から3時半の間に、近所のファミリーマートに、その日売れたカメラを台車に積んでガラガラと持って行って、寝るのは4時という生活......それが毎日だったので、たぶんコンビニの深夜バイトの人たちには、「台車男」とか「カメラ男」とか変なあだ名をつけられていたのではないでしょうか(笑)。

物販(転売)はビジネスとしてはお勧めします。

ただし不動産投資で稼げるようになって、会社員をリタイヤしてから始めるようにするのがベターです。

あるいは、物販に精通している企業に出資して、毎月安定した配当を得る形にするのがお勧めです。

また、仕入れでお金が先に出ていくのも、ビジネスの最初にはお勧めできないポイントです。出物があったら素早く仕入れる必要があるので、常に手元にまとまった資金が必要で、それを回収するまで最低でも1週間くらいかかります。

不動産投資である程度キャッシュフローに余裕ができてからやるのであればいいでしょう。

仕入れにしても売るにしても、ガッツいているとうまくいきません。

(5)アフィリエイト

ブログやメールマガジンなどを書いてそこに広告を貼り付け、それにより商品が売れると、販売者から売り上げの一部を報酬としてもらえます。

読者が広告をクリックして商品を購入するなどの成果に応じて、紹介報酬が得られるという仕組みです。

ブログを書くだけだからラクそうに見えますが、これも最初に手掛けることとしてはあまりお勧めできません。

なぜなら、物販と同様にかなりの時間を取られるからです。

物販よりもまず結果が出るのが遅くて、成功確率も低いですし、挫折してしまう人も多いです。

稼げるようになるにはかなりの根気がいりますし、やっぱり不動産投資で家賃収入を作ってから、気楽にやっている人のほうがうまくいくでしょう。

(6)YouTuber

動画投稿サイト「YouTube」に動画をアップし、再生回数に応じて広告収入を得るビジネスです。

有名YouTuberになると、その年収は5000万、6000万円を超えると言われます。

これも、ただ単に遊んでいる動画を投稿してラクそうというか、遊んでいるだけで儲かってうらやましいように見えますが、まず撮影機材や照明機材をそろえたり、あるいは紹介するアイテムを購入したり、見栄えの良い背景や部屋の防音など撮影環境を作ったりするため、それなりに先行投資が必要になります。

撮影知識や動画編集の技術も必要で、それを身につけるのにも時間やお金が必要でしょう。

最近ではiPhoneなどで撮影してそれをアップロードするだけというケースもありますが、人を引き寄せる演出をするにはそれなりの経験が必要です。

広告収入は1回の再生につき0.1円と言われており、1つの動画が数万回再生されてようやく数千円の収入。

有名になってある程度稼げるようになるには、月に200本の動画をアップロードし続けて半年かかると言われる世界です。撮影と編集にも時間がかかるし、会社勤めをしながらでは、その時間の余裕は持てないでしょう。

それも、みんなに見てもらえるようなおもしろい動画を作れることが前提です。

ただし、典型的な蓄積型ビジネスで、「ストックビジネス」としては良い儲け口ですし、YouTubeの説明欄にURLを付記して外部サイトに誘導し、メールマガジンへの登録を募るなど、自己ブランディングとして動画を活用するのは有効な手段でしょう。

ただし、これもやはり不動産投資が成功して、家賃収入で食べていけるようになってからやるべきだと思います。

また、センスに自信のない人は、労多くして実入りが見込めないので、やめておいたほうが無難でしょう。

小林さんのお金の増やし方
小林昌裕(こばやし・まさひろ)
1982年生まれ。大学卒業後、建築材料メーカーに就職。営業職としてガムシャラに働くも、祖母の葬式で、社用の電話をかけながら集合写真に撮られた自身の姿を見て、社畜のような人生を見つめ直す。2009年1月に転職。同年7月、不動産投資用に区分マンションを購入。以降、26~30歳の間に、3戸の区分マンション、4棟のアパートやマンションを購入し、合計43戸のオーナーになる。2014年に会社を退職し、現在は、20余りのキャッシュポイント(民泊ビジネス、太陽光発電など)を持つ。 ※画像をクリックするとAmazonに飛びます