(本記事は、小林昌裕氏の著書『年収350万円のサラリーマンから年収1億円になった小林さんのお金の増やし方』SBクリエイティブ、2017年3月25日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
家賃収入やキャッシュフローは?どこまで目指すか?
不動産投資はベース作りが大事です。
しかしどの時点で「ベースができた」と見なすのかというと、これは人それぞれではないでしょうか。
もちろん収入は多ければ多いほどいいとは思います。
不動産投資にのめり込んで毎月数百万円のキャッシュフローを作っていく人もいますが、僕の場合、好奇心が強いほうなので、ほかにおもしろそうなビジネスがあれば、そちらに興味が移って始めたくなってしまいます。
それに、1つのビジネスだけに偏りすぎるのもリスクだという考えもあります。
一応の基準として僕が考えているのは、不動産投資で毎月50万円から100万円くらいのキャッシュフローです。
このキャッシュフロー額があれば、ひとまずベースになると思います。
それから次のビジネスへの「複線化」を目指していくことをお勧めしています。
ここでいうキャッシュフローとは、家賃収入から、銀行への返済(返済利息を含む)や固定資産税・都市計画税(固都税)の税金、そのほか管理費(管理手数料)、光熱費や清掃費などの諸経費を差し引いた手残り額のことを指します。
決して「キャッシュフロー=家賃収入」ではない点にご注意ください。
基準のキャッシュフローに達したら次のフェーズへ50万円という数字は単にキリがいいからで、別に45万円でも構いません。
月額50万円から100万円の水準までキャッシュフローを維持できれば、おそらくすでに2億円から3億円くらいは物件を保有している状態だと思います。
そこまでいけば、次の収入の柱を増やしつつ、時間が経てばまた不動産を買っていけるようになります。
あとはタイミングを見ながら、不動産が高い時期と安い時期があるので、また安い時期に買えばいいのではないでしょうか。
もちろん、買い増しながら同時にほかの収入を増やしてもいいのですが、ここはあえてほかの収入を増やしていくフェーズに切り替えて専念したほうが、結局は毎月のインカムが増えるスピードが速くなります。
なぜかというと、結局のところ不動産投資の利回りでは、出せるキャッシュフローに限界があるからです。
今だと1億円分の物件を持っていたら、キャッシュフローは月25万円が合格ラインと言われています。
月300万円のキャッシュフローを作ろうとしたら、単純計算で物件を10億円は買い増す必要があります。その場合、支払う利息は1000万円です。
不動産投資自体が抱える構造的なリスク……つまり日本の人口減少のリスク、金利上昇のリスク、天災のリスクなどを考えると、あまり不動産にばかり偏りすぎないほうがいいと、個人的には考えています。
もちろん不動産投資には、それらリスクに見合う分だけの魅力もありますが、不動産投資だけに偏るよりは、収入の複線化をしていったほうがリスクの分散が図れますし、月額300万円くらいのキャッシュフローを作りたいのであれば、複線化をしたほうがスピーディーであるというのが僕の実感です。
ベース作りの期間は1~2年
不動産投資は少ないリスクと労力でキャッシュフローが作れますし、ローンを返し終われば物件はいずれあなたの資産となりますから、優れた投資であることは間違いありません。
ただし繰り返しになりますが、それに偏らないようにあくまでベース作りと考えましょう。月のキャッシュフローが50万~100万円のレベルに達すれば、投資マインドも強くなってリスクも取れるようになっているはずですから、ほかのビジネスにも臆せずにチャレンジしていけるでしょう。
月のキャッシュフローが50万~100万円、物件で2億~3億円規模に増やすのに要する時間は、早い人で半年から1年くらいで到達できます。
本気でやっていれば、遅くても2年はかからないでしょう。
ですから、さらに収入を複線化して、人生を変えるのにそんなに時間はかかりません。本気であれば10年もいらないでしょう。
まずは不動産から始めて1~2年で収入のベースを作り、ビジネスを複線化していくわけですが、月のキャッシュフローが50万円を超える前に複線化を始めてもかまいません。
なぜかというと不動産投資は、買ったあとに満室になったらそんなに時間をとられないので、キャッシュフローに余裕が出てきて、チャレンジできる態勢であれば、ビジネスのアンテナを伸ばし、情報収集に努めましょう。
不動産を買い増している途中で、すでにほかの案件の種蒔きを始めているくらいでいいですし、旺盛になっている投資マインドを無理に抑える必要はありません。
どんどんチャレンジしていきましょう。