【目次】
①自律制御システム研究所IPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【12/14更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント【12/4更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社自律制御システム研究所
- コード
- 6232
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 機械
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 太田 裕朗 /1976年生
- 本店所在地
- 千葉県千葉市美浜区中瀬二丁目6番地1 WBGマリブウエスト32階
- 設立年
- 2013年
- 従業員数
- 44人 (2018/10/31現在)(平均36歳、年収515.9万円)
- 事業内容
- 商業用ドローンの製造販売および自律制御技術を用いた無人化・IoT(モノのインターネット)化にかかるソリューションサービスの提供
- URL
- https://www.acsl.co.jp/
- 株主数
- 21人 (目論見書より)
- 資本金
- 1,546,378,000円 (2018/11/16現在)
- 上場時発行済み株数
- 10,152,105株(別に潜在株式1,286,250株)
- 公開株数
- 2,971,200株(公募900,000株、売り出し1,683,700株、オーバーアロットメント387,500株)
- 調達資金使途
- 製造関連費用、人件費および人材採用費、販売促進費、研究開発費
- 連結会社
- なし
- スケジュール
- 仮条件決定:2018/12/03→3,000~3,400円に決定
- ブックビルディング期間:2018/12/05 - 12/11
- 公開価格決定:2018/12/12→3,400円に決定
- 申込期間:2018/12/13 - 12/18
- 払込期日:2018/12/20
- 上場日:2018/12/21→初値2,830円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:みずほ証券
- 引受証券:野村證券
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:いちよし証券
- 引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:水戸証券
- 引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- UTEC3号投資事業有限責任組合 2,100,000株 19.93%
- 野波 健蔵 1,500,000株 14.23%
- 楽天(株) 1,350,000株 12.81%
- (株)菊池製作所 1,050,000株 9.96%
- iGlobe Platinum Fund II Pte. Ltd. 1,000,005株 9.49%
- (株)SMBC信託銀行特定運用金外信託口 833,340株 7.91%
- 太田 裕朗 525,000株 4.98%
- 鷲谷 聡之 375,000株 3.56%
- 早川 研介 375,000株 3.56%
- みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合 333,330株 3.16%
- 千葉道場ドローン部1号投資事業有限責任組合 166,680株 1.58%
- 五十嵐 恵美子 150,000株 1.42%
- (株)アトックス 150,000株 1.42%
- 業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
- 2017/3 単独実績 156 -533 -486 -488
- 2018/3 単独実績 370 -542 -454 -460
- 2018/9 単独中間実績 246 -232 -86 -87
- ロックアップ情報
- 野波健蔵、株式会社菊池製作所、楽天株式会社、ツカサ電工株式会社は上場後90日目の平成31年3月20日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 101億208万0000円(2,971,200株×3,400円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 1,286,250株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 自律制御システム研究所<6232>はドローンの自社開発、ドローンを活用した無人化・IoTシステムの受託開発などを行っている。千葉市に本社を置く、千葉大発のベンチャー企業である。
■事業内容
同社の事業は顧客企業からドローン導入の打診に基づき、
① 顧客企業におけるドローン活用による課題解決の概念検証(導入コンサルティング)
② 用途に応じたシステム全体の仕様策定と特注システムの開発請負い(システムインテグレーター)
③ 特注システムの量産供給(メーカー)
上記の3種類から構成されている。ドローンの導入コンサルティング、システムインテグレーター、メーカーの3つの機能を顧客に提供している。
主に大企業におけるドローン活用において、検討段階から実際の導入まで全面的なシステム構築をワンストップで提供することを前提として営業活動を促進している。既に楽天<4755>の「天空」やNJS<2325>の「Air Slider」などの実績が存在する。
株主でもある楽天と、ドローンを活用した配送サービス実験を手掛けていることが知られている。
■同社の技術
同社は千葉大発のベンチャー企業として創業した。自律制御技術を中核技術と位置付け、継続的に開発投資を行ってきた。ドローンが「自ら考えて飛ぶ」自律制御技術を中心に周辺技術・システム開発能力を一気通貫で保有している。
具体的には下記の技術的優位性を持っている。
① 「自ら考えて飛ぶ」自律制御技術
② 機体・駆動ハードウェア
③ 機能アプリケーション・搭載オプション
④ ソフトウエア・外部システム
ドローンに関するソフトからハードまでの一貫した技術力をベースに、点検、物流、防災、空撮、測量、農業といった分野でドローンを活用した産業向けの事業を運営している。
■国家プロジェクトへの参画
同社は産学官連携により様々なプロジェクトに参画し、最先端の技術開発に取り組んでいる。国家プロジェクトの受託もしており、各プロジェクトにて発生した研究開発費用について、管轄機関の監査を受けて認められた金額を、助成金又は補助金として受領している。
2018年3月期は28百万円を国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDOから補助金として受領した。
■業績推移
2016年3月期 売上高1.2億円、経常利益▲0億円、当期純利益▲0億円
2017年3月期 売上高1.6億円、経常利益▲4.9億円、当期純利益▲4.9億円
2018年3月期 売上高3.7億円、経常利益▲4.5億円、当期純利益▲4.6億円
2019年3月期(予想) 売上高8.0億円、経常利益▲1.5億円、当期純利益▲1.5億円
研究開発型企業であり、足元では赤字が継続している。2017年3月期、2018年3月期と約5億円の赤字を計上した。
当期(2018年3月期)は売上高8.0億円と、対前年同期比で2倍以上の増収の予想である。売上の拡大により赤字幅も▲1.5億円にまで抑えられる計画となっている。
尚、当期Q2(累計)は売上高2.5億円、経常利益▲0.9億円となった。
■財務状況
2018年3月期時点で資産合計24億円に対して、純資産合計20億円となっており、自己資本比率は86%。尚、資本金は15億円である。
借入金2.0億円に対して、現預金21億円を保有している。ベンチャーキャピタル他からの調達資金を豊富に有している状態であり、足元の財務状況に懸念事項は見当たらない。
■資金使途
IPOにより28億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・製造関係費用 7.3億円
・人件費及び人材採用費 5.0億円
・販売促進費 2.2億円
・研究開発費 9.0億円
ドローンの研究開発及び製造関係費用中心に、資金は充当される計画である。
■株主について
同社の筆頭株主はUTEC3号投資事業有限責任組合であり株式シェアは20%。また第3位株主は楽天(同13%)である。
UTEC3号以下、5社のVC等が株主に参入しており、VC・ファンド比率は約42%となっている。
尚、UTEC3号投資事業有限責任組合は90日もしくは株価1.5倍のロックアップ契約を締結している。
■今後の注目ポイント