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【目次】
①カオナビIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【3/7更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【3/1更新】 ※有料会員限定

会社名
株式会社カオナビ
コード
4435
市場
マザーズ
業種
情報・通信業
売買単位
100株
代表者名
柳橋 仁機 /1975年生
本店所在地
東京都港区元赤坂一丁目2番7号
設立年
2008年
従業員数
107人 (2018/12/31現在)(平均34.1歳、年収608.2万円)
事業内容
クラウド人材マネジメントシステム「カオナビ」の提供
URL
https://corp.kaonavi.jp/
株主数
11人 (目論見書より)
資本金
441,400,000円 (2019/02/12現在)
上場時発行済み株数
5,288,000株(別に潜在株式868,900株)
公開株数
1,000,500株(公募500,000株、売り出し370,000株、オーバーアロットメント130,500株)
調達資金使途
人件費、マーケティング費、システム開発費、採用費
連結会社
なし
スケジュール
仮条件決定:2019/02/26→1,780~1,980円に決定
ブックビルディング期間:2019/02/28 - 03/06
公開価格決定:2019/03/07→1,980円に決定
申込期間:2019/03/08 - 03/13
払込期日:2019/03/14
上場日:2019/03/15→初値3,970円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:大和証券
引受証券:みずほ証券
引受証券:東海東京証券
引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:エース証券
大株主
柳橋 仁機 2,396,000株 42.36%
(同)RSIファンド1号 1,230,000株 21.74%
大和ベンチャー1号投資事業有限責任組合 612,000株 10.82%
佐藤 寛之 256,000株 4.53%
(株)アスパイア 250,000株 4.42%
NVCC7号投資事業有限責任組合 236,000株 4.17%
田丸 拓也 160,000株 2.83%
NVCC8号投資事業有限責任組合 150,000株 2.65%
(株)新生銀行 50,000株 0.88%
島 浩文 30,000株 0.53%
業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
2017/03 単独実績 454 -211 -213 -207
2018/03 単独実績 952 -244 -249 -282
2018/12 単独3Q累計実績 1,188 -98 -101 -102
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の平成31年6月12日または上場後180日目の平成31年9月10日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
19億8099万0000円(1,000,500株×1,980円)
潜在株数(ストックオプション)
868,900株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
カオナビ<4435>は、企業の人材情報をクラウド上で一元管理するシステム「カオナビ」の提供を行う企業である。

2018年3月期の公開申請期、2019年3月期の申請翌期のいずれも赤字決算でのIPOを予定する、2008年設立のベンチャー企業である。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業内容について
同社は「マネジメントが変わる新たなプラットフォームを。」というビジョンを掲げ、企業の人材情報をクラウド上で一元管理する、「カオナビ」の提供を通じた事業展開を行っている。

「カオナビ」は社員の顔や名前、経験、評価、スキルなどの人材情報を一元管理して可視化することで、最適な人材配置や抜擢といった人材マネジメントをサポートするシステムである。特徴としては下記3点があげられる。

① 人材マネジメント業務に特化
② クラウド人材データベース
③ 社員の顔写真で直感的に操作

人材情報の中で必要とされる項目は、企業や業界によって異なる。「カオナビ」は工数と費用をかけずに、顧客自身で簡単にデータベースが構築できる柔軟性も有している。

2012年4月の「カオナビ」サービスの提供以来、業種や業態問わず幅広い顧客への導入が進んでいる。人材マネジメントのシステムとしては出荷社数ベース、売上金額シェアベースのいずれにおいてもトップシェアである。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■ビジネスモデル
同社は顧客に対してクラウド上で提供する「カオナビ」サービスの対価を、使用期間に応じて月に継続的に受領する、サブスクリプション型のビジネスモデルである。「カオナビ」の月額料金は登録人数に応じた料金体系であり、顧客ニーズに応じて主に3つのプランが用意されている。

2019年3月期Q3時点で、継続的な売上が見込める売上高ストック比率は75%であり、安定的な売上先の確保がなされている。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■成長戦略
現状、人材関連のソフトウェアサービスは「人材紹介・人材派遣」「採用管理」「勤怠計算」「給与計算」「人材配置・評価」など、機能毎に細分化されている。

その中において「カオナビ」は「人材情報をクラウド上で一元管理できる」という機能優位性を持っており、人材データベースとしてのハブ機能を備える事で、あらゆる人事・人材関連サービスに関するプラットフォームを目指している。

既に資本業務提携先のリクルートHD<6098>のグループ会社とサービス連携を行っており、今後は外部サービスとの連携も加速化する計画である。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■業績推移
2016年3月期 売上高2.4億円、経常利益▲0.6億円、当期純利益▲0.4億円
2017年3月期 売上高4.5億円、経常利益▲2.1億円、当期純利益▲2.1億円
2018年3月期 売上高9.5億円、経常利益▲2.5億円、当期純利益▲2.8億円
2019年3月期(予想) 売上高16億円、経常利益▲1.5億円、当期純利益▲1.5億円

開発費用が先行しており、これまで赤字が継続中である。しかしながら売上高は年間約2倍のペースで伸びてきた。

2019年3月期は売上高15億円を超える予想であるが、赤字の継続を見込んでいる。Q3時点で売上高12億円、経常利益▲1.0億円であり、通期予想に向けて進捗は順調である。


■財務状況
2018年3月期末時点で資産合計8.8億円に対し、純資産合計2.9億円であり、自己資本比率は33%となっている。

借入金2.0億円に対し現預金5.9億円を有しており、財務上の懸念事項は見当たらない。尚、貸借対照表の貸方において、顧客から受領のサービス提供前の料金として、前受収益が1.5億円存在している。


■資金使途
IPO(株式上場)により11億円の資金調達を行う計画である。調達資金については下記の使途を予定している。

・事業拡大に伴う人材確保に係る人件費 6.0億円
・認知度向上及び顧客基盤拡大に係るマーケティング費 2.1億円
・「カオナビ」の新機能開発など 残額

事業拡大に向けた投資に調達資金は活用される。


■株主構成
柳橋社長が株主シェア42%を有する筆頭株主である。

第2位株主はリクルート系の投資ファンドである合同会社RSIファンド1号(株主シェア22%)。

また大和ベンチャー1号投資事業有限責任組合(同11%)、NVCC7号・8号投資事業有限責任組合(株主シェア合計6.8%)がVCとして株主に参入している。

そして金融機関として新生銀行(0.9%)も株主として存在する。

尚、RSIファンド1号はIPO後180日、大和ベンチャー1号投資事業有限責任組合、NVCC7号・8号投資事業有限責任組合はIPO後90日もしくは株価1.5倍のロックアップ契約を締結している。


■今後の注目ポイント