【目次】
① WelbyIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【3/19更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【3/14更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社Welby
- コード
- 4438
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 比木 武 /1973年生
- 本店所在地
- 東京都中央区日本橋本町三丁目8番3号
- 設立年
- 2011年
- 従業員数
- 33人 (2019/01/31現在)(平均36.8歳、年収599.4万円)
- 事業内容
- 患者の自己管理をサポートするPHR(個人が電子的に管理する自らの健康・医療情報)プラットフォームサービス
- URL
- https://welby.jp/
- 株主数
- 24人 (目論見書より)
- 資本金
- 684,900,000円 (2019/02/27現在)
- 上場時発行済み株数
- 1,930,000株(別に潜在株式154,000株)
- 公開株数
- 197,000株(公募75,000株、売り出し97,000株、オーバーアロットメント25,000株)
- 調達資金使途
- 新規PHRプラットフォームの開発・改修費用、学会出展・セミナー開催費用、人材採用費
- 連結会社
- なし
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/03/12→4,750~5,200円に決定
- ブックビルディング期間:2019/03/13 - 03/19
- 公開価格決定:2019/03/20→5,200円に決定
- 申込期間:2019/03/22 - 03/27
- 払込期日:2019/03/28
- 上場日:2019/03/29→初値18,030円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:いちよし証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- 比木 武 852,000株 42.41%
- (株)デジタルガレージ 370,000株 18.42%
- (株)ブライトリンクパートナーズ 140,000株 6.97%
- 日本郵政キャピタル(株) 110,000株 5.48%
- 姜 琪鎬 100,000株 4.98%
- 成松 淳 50,000株 2.49%
- 森下 満成 42,000株 2.09%
- 高橋 朗 37,000株 1.84%
- 立石 知雄 32,000株 1.59%
- (株)ワン 30,000株 1.49%
- サンエイト3号投資事業有限責任組合 28,000株 1.39%
- 業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
- 2016/12 単独実績 253 -136 -136 -136
- 2017/12 単独実績 474 -73 -76 -76
- 2018/12 単独見込 808 156 153 176
- ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後180日目の平成31年9月24日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 10億2440万0000円(197,000株×5,200円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 154,000株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
-
Welby<4438>は糖尿病・高血圧症などの、生活習慣病の患者の自己管理をサポートするPHR(※)プラットフォームサービスを提供する企業である。
※PHR(Personal Health Record)→個人によって電子的に管理される自らの健康・医療情報を指す。
■PHRプラットフォームのサービス内容
同社のPHRプラットフォームは、主に医療者もしくは医療機関が患者に同社アプリを紹介し、患者自身がアプリをダウンロードし、食事・運動・検査値等をアプリに記録することで利用される。
医療者と患者がPHRプラットフォーム上で健康・医療情報等を共有することで、PHRプラットフォームサービスは疾病管理ツールとして機能する。
具体的には患者がアプリに記録したデータを医療者が定期的に確認し、またアプリを通じて医療者が患者へメッセージ送信を行う。双方向のコミュニケーションを通じて、患者の治療継続の支援と行動変容を促進することで、治療による臨床上の効果を高めることが可能となる。
同社が提供するPHRプラットフォームは医療者によるアプリ推奨のほか、医療機器メーカーや医薬品卸事業者との提携、製薬企業との連携、ウェブマーケティングの実施等による拡大施策を行っている。2018年12月末時点で、各アプリの合計ダウンロード数は53万回に達した。
■ビジネスモデル
同社はPHRプラットフォームの構築を目的とする事業の単一セグメントであるが、①疾患ソリューションサービス、②Welbyマイカルテサービスの2つのサービス分野が存在する。
① 疾患ソリューションサービス
疾患ソリューションサービスは、製薬企業からの依頼によるPHRプラットフォームの開発である。具体的には生活習慣病領域、がん及び特定慢性疾患領域において、製薬企業からの依頼を受けて、主に新薬の上市に伴う医薬品の適正使用促進と疾患啓発のために、PHRプラットフォームを開発・運営する。
開発されたPHRプラットフォームは主に製薬企業のブランド名で提供されるが、プラットフォームサービスの保守、運用等を同社が手掛ける。
疾患ソリューションサービスの売上高は製薬企業からのサービス構築費用を中心に、同社売上高の約7割強を占める。2019年2月時点で14社の製薬企業向けにサービスを提供中である。
② Welbyマイカルテサービス
Welbyマイカルテサービスは、糖尿病や高血圧症等の生活習慣病患者及びその予備軍の自己管理をサポートする、同社が構築・運営のクラウドサービスである。
自治体の住民や一般企業の従業員への生活習慣病重症化予防ツールとして、月額利用料課金及び有料利用医療機関への月額利用料の課金によって構成されている。有料利用の企業数、医療機関数等と連動して収益が変動する仕組みであり、同社売上高の約3割を占めている。
自治体・一般企業・医療機関等への導入が進むことで、Welbyマイカルテのユーザーが登録したかかりつけ医療機関は9,000施設(無料利用施設を含む)を超えた。またアプリのダウンロード数は40万回を超え、60代以上ユーザーのアクティブ率(月に1度以上アプリを利用するユーザー割合)は40%近くになっている。
■業績推移
2016年12月期 売上高2.5億円、経常利益▲1.4億円、当期純利益▲1.4億円
2017年12月期 売上高4.7億円、経常利益▲0.8億円、当期純利益▲0.8億円
2018年12月期(実績見込み) 売上高8.1億円、経常利益1.5億円、当期純利益1.8億円
2019年12月期(予想) 売上高11億円、経常利益1.8億円、当期純利益1.6億円
2017年12月期まで赤字が継続したが、2018年12月期は増収増益により黒字化の見込みである。
2019年12月期も増収増益を目指す計画。これまで同様の、疾患ソリューションサービス割合が約7割強、マイカルテサービスの割合が約3割弱という売上比率の予定である。
尚、2017年12月期決算での公開申請であり、期越え決算での上場である。
■財務状況
2017年12月期末時点で資産合計12億円に対して、純資産合計11億円であり自己資本比率87%となっている。
借入金0.4億円に対し現預金11億円を有しており、財務的な懸念事項は見当たらない。貸借対照表上、資産の約9割が現預金で構成されている。
尚、監査前の2018年12月期の貸借対照表の開示もなされているが、大きな変動は生じていない。
■資金使途
IPOにより3.3億円の資金調達を行う計画、調達資金は下記に充当される。
① 新規PHRプラットフォームの開発及び改修費用 2.5億円
② PHRプラットフォームの医療実臨床現場における治療サポート効果のクリニカル・エビデンス構築に係る費用 0.7億円
事業拡大に向けて、PHRプラットフォームへの投資がなされる予定である。
■株主状況
筆頭株主は比木社長であり株主シェアの42%を有している。また第3位株主(株主シェア7.0%)の株式会社ブライトリンクパートナーズは中島取締役の資産管理会社である。
第2位株主(同18%)は投資事業を手掛ける株式会社デジタルガレージ<4819>。またVCとして第3位株主(同5.5%)日本郵政キャピタル株式会社、第10位株主(同1.4%)サンエイト3号投資事業有限責任組合、第11位株主(同1.2%)サンエイトOK組合が存在する。VC比率は27%となっている(デジタルガレージ含む)。
尚、日本郵政キャピタルを除く投資会社系の株主は、IPO後180日間のロックアップ契約を締結している。
■今後の注目ポイント