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飲食店の集客方法といえば大手グルメサイトの活用をイメージする方が多いだろう。しかし最近は、さまざまなタイプの集客サービスが登場。自店舗に合った手法を選べるようになってきた。ここでは、現在どのような集客サービスがあるか、特に注目されているものをタイプ別にピックアップ。ぜひ自店舗に合った集客サービスを見つけてほしい。

飲食店の予約はSNSで行う時代に!?

飲食店の情報をSNSで収集する人が増えたことによって、 SNSと連動した予約サービスが続々と登場。最近はインスタグラムとぐるなびが連携したことでも話題になった。これまでは、消費者がインスタグラムで行きたい店を見つけても、予約するには外部の予約サイトに移動する必要があり、それが予約までのハードルを上げる原因になっていた。しかし、今回の連携により、消費者はインスタアプリを閉じることなくスムーズに店の予約ができるようになった。

また、チャットアプリを使った予約サービスも話題だ。希望の日時や人数、条件などをチャット形式で入力していくだけで、アプリが自動的に希望に合う店を探し予約してくれる。LINEと連携している「ビスポ!」や、独自チャットアプリを提供する「ペコッター」などが人気だ。いずれも、スマホのアプリ内で予約が行われるので、気がついたら予約まで完了しているという手軽さが好評だという。

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細かいニーズに応える集客サービスが続々と

最近は、消費者の細かいニーズに特化したサービスやアプリも登場している。特定の好みに応じて店をリストアップしてくれるので、希望の店が見つかりやすいのが特徴だ。

例えば「Vegewel(ベジウェル)」は、全国約1,300店のヘルシーレストランだけを集めた情報サイト。通常のグルメサイトなら「ベジタリアンメニューあり」などと大まかな店の特徴を伝えるだけだが、「Vegewel」ではヴィーガン対応、マクロビオテック、グルテンフリーといった形で細やかに店を分類。実際に食事制限している人にとっては、とても使い勝手のいいサービスだといえるだろう。

また、特定のシチュエーションを意識したサービスも増え始めている。ぐるなびの「イマノモ!」は、「15分後以降に空席のある店」を表示し、席予約までできる新機能。宴会の二次会など、参加人数や時間がギリギリまで決まらないような状況で重宝されそうだ。今後もよりマニアックなもの、特殊な状況をターゲットとしたサービスが生まれる可能性がある。

消費者の位置情報を生かした集客サービス

スマホの位置情報機能を生かした集客方法も見逃せない。例えば、とんかつ屋に行きたい場合、「渋谷 とんかつ」で検索しなくても、地図アプリで「とんかつ」と入力すれば近くのとんかつ屋がすぐに見つけられる。

地図アプリの定番「Google マップ」では、現在地近くの店がすぐに見つかるだけでなく、Google マイビジネスと連動しているので、メニューや店内写真の表示、さらにはお店の場所までナビゲートもしてくれる。他にも口コミの表示など、多彩な機能が備わっている。

また、「Quippy(クイッピー)」も注目のアプリだ。地図アプリではないが、位置情報を使って、徒歩1〜12分の距離にある飲食店のインスタグラム写真をまとめてくれるというもの。写真を見ながら直感的にお店選びができると話題だ。

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(画像=iStock.com/Beatrice Sirinuntananon)

今年大人気のサブスクリプションモデル

最近は、サブスクリプション型(定額制)の店舗が注目を集めている。例えば、月額3,800円でいつでもコーヒー飲み放題のカフェ、月額8,000円でラーメン食べ放題の店などだ。サブスクリプションモデルは、集客サービスやアプリにも続々と導入されはじめている。

食べログが提供する「ワンコインランチ」は、月額540円を支払うことで、全国主要都市3,300店以上のランチをワンコインで食べられるサービスだ。定価で800〜1,000円くらいのランチを提供している加盟店が多いので、月に数回利用するだけで元が取れる計算になる。

また、「FOOD PASSPORT」は、全国約200の加盟店で1日1回食事ができるサービス。食材の廃棄問題に着目し、「余剰食材によるお任せメニュー」を対象としている点が最大の特徴と言えるだろう。そのため、料金は月額2,980円とかなりお得に設定されている。

訪日外国人をターゲットに

訪日外国人旅行客が急増したことで、対応に追われている飲食店も多いだろう。特に、外国語メニューの準備やオーダー時の対応などが懸念されるところだ。もちろん、この点に関してもすでに様々なサービスが提供されている。

「マイオーダー」は、外国人向けサイトを作成してくれるサービスだ。集客だけでなく、客のスマホを使って外国語と日本語の両方のメニューが表示されるので、オーダーミスも防げる。favyが提供しているホームページ作成サービス「favyページ」も、自動の英語翻訳機能がついており簡単にバイリンガルサイトが作成できる。

世界10か国以上で利用されている予約アプリ「TableCheck」は、日本語、英語はもちろん、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語など8か国語に対応。様々な国から来客が見込める場合には、導入の価値がありそうだ。

こうしてみると、集客方法には限りがないと感じさせられる。今後も時代やニーズの変化とともに、さまざまなサービスが生まれるだろう。今回紹介したサービスは、初期費用がかからない成果報酬型のサービスも多く、小規模店にも導入しやすいはずだ。ぜひ今一度、ターゲット層のニーズを整理して、どの集客サービスを利用するべきか再検討して欲しい。

執筆者:大槻洋次郎

(提供:Foodist Media