キャッシュレス化が急速に進む日本。飲食業界も例外ではなく、クレジットカードや電子マネー対応に乗り出す店も少なくない。そんななか、特に盛り上がりを見せているのが、スマートフォンを用いた「QRコード決済」だ。
「QRコード決済」とは、店頭に設置したQRコードを客が読み取る、または客から提示されたQRコードを店側が読み取ることで、決済が完了する手法。あらかじめ、決済に使用するアプリにクレジットカードや銀行口座の情報を登録しているため、QRコードを読み取る(提示する)だけで決済が可能となる。
中国などに広く普及している決済手法だが、近年日本でもAmazonやLINEといった大手企業が続々と参入。これにより日本でもキャッシュレス化が急速に進むと言われている。そこで今回は、QRコード決済を提供する主要各社のサービスを紹介する。導入を検討している飲食店経営者は、参考にしてほしい。
QRコード決済、主要各社のサービスを一気に紹介
Amazon Pay
Amazonが手掛ける決済サービスで、2018年8月29日より実店舗でのサービスを開始した。店舗で利用する場合は、NIPPON Tabletの端末の設置が必要。設置した店頭端末で、客のAmazonショッピングアプリに表示されたQRコードを読み取ることにより、決済を行う仕組みだ。
・決済手数料……3.5% ※2018年12月までの申し込みで、2020年末まで決済手数料無料
・支払いサイト……月末締め、翌15日払い(銀行休業日は翌営業日)
・公式サイト……Amazon Pay/Nippon Tablet
LINE Pay
LINEアプリ内で提供されている決済サービス。店頭での決済やユーザー間の送金、割り勘などの機能が搭載されている。2018年6月より開始した店舗用アプリでは、店舗アカウントと連携したメッセージ配信にも対応。LINE Payで決済をした客に対し、メッセージを配信し、次の来店を促すことができる。
・決済手数料……2.45%~ ※最長3年間、決済手数料無料のキャンペーン中(2018年9月末現在)
・初期費用・月額費用……無料 ※加盟店手数料必要
・支払いサイト……月末締め、翌月末払い
・公式サイト……LINE Pay
楽天ペイ
楽天が手掛ける決済サービスで、QRコードを用いたアプリ決済のほか、クレジットカード決済や電子マネー決済にも対応。客側は、決済により楽天ポイントが貯まるため、それらを活用した新規客層の開拓も期待できる。振込指定口座を楽天銀行に指定すれば、手数料無料で売上金の翌日入金が可能。
・決済手数料……3.24% ※アプリ決済の場合
・初期費用・月額費用……無料 ※アプリ決済の場合
・支払いサイト……最短で翌日入金
・公式サイト……楽天ペイ
Origami Pay
Origami PayのQRコード決済は、客が店頭に設置されているQR決済スタンドを読み込むスタイルで、クーポンの利用も可能。すでに約20,000店舗が加盟している。アプリには、店側からお知らせを配信する機能も搭載(利用には別途費用が必要なものも有)されており、販促効果も期待できる。
・決済手数料……最大3.25%
・初期費用・月額費用……無料
・支払いサイト……月末締め、翌月末払い
・公式サイト……Origami Pay
pring
pring(プリン)は、銀行口座直結の決済サービス。最大の特徴と言えるのが、決済手数料の安さ。0.95%と、他の決済サービスと比較しても1/3程に抑えられており、店側の負担が少ない。また、支払サイトに関しても、みずほ銀行であれば翌営業日に自動入金される仕組みを確立している。
・決済手数料……0.95%
・初期費用、月額費用……無料
・支払いサイト……みずほ銀行は翌営業日に自動入金、その他の銀行は月末締め、翌10日払い
・公式サイト……pring
PayPay
ソフトバンク株式会社とヤフー株式会社が合同で手掛けるスマホ決済サービス。2018年10月よりサービスを開始する予定で、現在は導入店舗の募集を行っている(2018年9月末現在)。中国で需要の高いQRコード決済サービス「AliPay」との連携も発表されるなど、インバウンド対策としても期待が高まる。
・決済手数料……サービス開始日より3年間は無料
・初期費用……サービス開始日より3年間は無料
・支払いサイト……ジャパンネット銀行は当月末締め翌々営業日(2018年11月以降は、翌日入金)、その他の銀行は当月末締め翌々営業日
・公式サイト……PayPay
今後、さらにキャッシュレス化が進むと言われている日本。政府がQRコード決済を導入した中小事業者への税制優遇を検討しているなど、国をあげてキャッシュレス化に乗り出しつつある。今回ご紹介した決済サービスの中には、数年間決済手数料無料を掲げているところも多い。この機会に新たな決済サービスとして、導入を検討してみるのもいいだろう。(提供:Foodist Media)
執筆者:サトウカオル