「ひょっこりはん」を生んだお笑いサークルのレベルの高さ
それ以外に特徴的だと感じたのは、学生のお笑いライブが年々すごくレベルが高くなっているということです。本当に見ていて面白くて盛り上がるし、今やプロへの足がかりにもなっているのです。
有名なところで言うと、「にゃんこスター」のアンゴラ村長や、「ひょっこりはん」など近年ブレイクした芸人は、大学のお笑いサークルの出身者です。
この傾向から見てわかるのは、学園祭の発表の場が単なる内輪の「ウケ狙い」でなく、真剣に「自己表現」をする場になっているということです。
一方で、ミスコン自体をなくしていく大学の風潮も増えてきています。これは、大学側がジェンダーに配慮したという動きもありますが、若い世代は人間の平等を最も信じている世代と言われ、フェミニズムなど社会の動きに敏感に反応することも無関係ではないはずです。
「競争意識を煽る」は百害あって一利なし!
では、健全で優しく、自分の好きなことにこだわって自己表現する今どきの学生世代に対して、30代や40代以降はどう接すればいいのか。
彼らの世代が自分の部下になったと仮定して、もっともやってはいけないのが、よーい、どんで「競争意識を煽る」ことです。
今までの世代なら競争によって、ときに悔しさを覚え、それを糧にして頑張れる人はたくさんいましたので、営業成績などを貼り出して、“周囲に負けたくない”と向上心に火をつけることもできましたが、いまは競争させると、まずメンタルがやられてしまう。それくらい繊細で争うことが苦手な世代なのです。