4月下旬からスタートした3月決算企業の本決算発表も今月中旬に終了しましたが、それから2週間程度が経過したことから5月に入って決算を発表した銘柄でもアナリストによる業績や目標株価の見直しも随分と進んだと思われます。そこで今回は5月9日に決算を発表したTOPIX500採用の3月期決算銘柄を対象に決算後に複数の目標株価の引き上げがみられるもの(足元の株価を上回るもののみ対象)をピックアップしてみました。
そのなかでも目標株価の引き上げが目立ったのがダイキン工業(6367)やコナミホールディングス(9766)で、ダイキン工業では決算発表後に6社が目標株価を引き上げたほか、コナミホールディングスでも5社が目標株価を引き上げています。また、バンダイナムコホールディングス(7832)でも決算発表後に3社が目標株価を引き上げています。
決算メモ
●カルビー(2229)- 海外売上高を倍増させる初の中計を発表 ー
カルビーが14日に発表した2019年3月期の決算は売上高が前期比1.2%減の2487億円、営業利益が同0.5%増の270億円となりました。売上高は減収となりましたが、ベーカリー子会社を売却した影響を除くと4.3%増で実質的には増収となっています。営業利益は増収効果や北米でのコスト改善があったものの、原材料費や物流費などの上昇でほぼ前年並みとなりました。
今期の計画は売上高が前期比3.8%増の2580億円、営業利益が同0.1%増の270億円となっています。国内事業は5月に国内スナックの一部商品の価格改定を実施するものの、原材料費や物流費の上昇を吸収しきれず5.7%の減益となる見通しです。しかし、海外事業の一段の収益改善で引き続き前期並みの水準を確保する計画です。
カルビーは決算発表にあわせて初の中期経営計画を発表しました。その中計では海外売上高を前期の405億円からほぼ倍増の800億円まで伸ばす計画となっています。そのためカルビーに20%出資する米ペプシコとの連携を強化するとしています。しかし、2009年の資本・業務提携から10年の間目立った成果がなかっただけに関係強化が本当に進むのか見極める必要がありそうです。
金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト
【関連リンク マネックス証券より】
・ビットコインは100万円トライへ: 取引層拡大と規制の安定で底堅い動き続く
・ほぼ変わらずもユーロのショート上乗せでドルのネット・ポジションは若干増加
・7月発表の4-6月期決算がどうなるか見極めたいという空気が強い。下げ止まりがみられるかが重要。
・大手銀決算後の投資戦略:配当利回り4%台後半はさすがに異常値。長期目線で保有
・日経平均の底値目途は