受注目標達成の秘訣は「追加発注」にあり

追加発注,大塚寿
(画像=THE21オンライン)

1つの案件を受注したり、受注が濃厚になったりすると、不思議なもので私達はその案件に集中するがあまり、追加受注の機会や他の案件が見えなくなってしまうことが少なくない。

ゼロから案件を発掘するより、追加工事や追加受注の難易度の方がはるかに低いので、この機会を確実に数字につなげる行動をルーチンワークに加えて欲しい。

今回はそのコツについて共有したい。

関連売りで労せず数字を上乗せさせる

例えば、あなたが築28年のマンションの大規模修繕でエレベーターのリニューアル工事を受注した営業パーソンだったとする。

追加受注の対象として保守契約を推進するのはもちろんだが、この時、築28年ということなので、防犯カメラが入っていなければ新設を提案したいし、共有部分の照明がLED化されていなかったらLED照明も提案したい。

顧客側とすれば、いずれもエレベーター工事の金額と比較すれば少額であるし、まとめて発注することによって大幅なディスカウントが期待できるので、個別に発注するより安くつく。

さらに窓口が1つで済むというメリットもあるため、受注率が高くなるのだ。

営業でも「クロスマーチャンダイジング」が可能

あるいは、あなたが総合人材サービスの営業パーソンで、あるメーカーから理系の学生5名の採用プランを受注したとする。

ここでもやはり、その5名を採用するだけでなく、彼らを育成するための新人研修や、迎える側のOJT研修なども追加受注のターゲットにしなければならない。さらに、新人から5名を採用できる保証はないので、そのリスクヘッジとして中途採用のプランも仕掛けておきたい。

要はBtoCの世界でいうところのクロスマーチャンダイジング、つまり生肉売場に“焼肉のタレ”を展開したり、冬場であれば“鍋つゆ”や“鍋のもと”を展開したりする関連買いを促す販促手法を、BtoBの営業でも活かしたいのだ。