依頼の仕方ひとつで、成果は大きく変わってくる

周囲の人と円滑なコミュニケーションが取れるかどうかは、こうした小さなことの積み重ねです。Aのように乱暴な物言いで指示を出され続けると、心の中にどんどん不満がたまっていき、嫌々仕事をするようになってしまいます。

反対に丁寧に依頼され、こちらも気持ちよく引き受けた仕事は、なんだかやる気もアップして、仕事のパフォーマンスに良い影響を与えることも少なくありません。

プロとして仕事を引き受けた以上、気持ちで仕事にムラを出してはならないという原則はありますが、やはり人は感情の生き物。無意識のうちに感情が行動を左右するものです。

先ほどは上司からあなたへの指示という例文を出しましたが、あなたが発信する際ももちろん同じです。同じことを言っていても伝え方次第で、相手の受け取り方が変わり、仕事をスムーズに進めることができるかどうかが決まってしまいます。

成功者と言われる人には気さくで優しい人が多い

私は仕事柄、大企業の経営者含めいわゆる「成功している」と言われる方々とお会いする機会がたくさんあります。大企業の社長と言うと、なんだか気難しくて怖そうなイメージを抱いてしまいがちですが、意外にも実際にお会いすると気さくで優しく、思いやりのある方ばかりです。「この人のために仕事がしたい!」「この人と一緒に働きたい!」そう感じさせるような魅力がにじみ出ているのです。

とはいえ、これは性格の問題ではありません。あなたがどれだけ素晴らしい人格の持ち主で、常に相手のことを考えていたとしても、それが周囲に伝わっていなければその強みが良い結果を導いてくれることはありません。

反対に、心の中は実はマイナス思考で、仮に相手に対してネガティブな感情を抱いていたとしても、いつもとびきりの笑顔で丁寧な対応をしていれば、きっと「明るくて、優しい素敵な人」という印象を持たれることでしょう。

相手に良い印象を持たれる人は、嫌われることが少なく、敵を作りません。また自ら意識してコミュニケーションを取ることで、苦手な相手でも臆すことなく関わっていくことができるようになります。

苦手な相手でも味方につけるようなコミュニケーション術を習得することができれば、あなたのこれからの仕事の可能性がグッと広がります。