2019年7月11日(木)Market Talkの内容

●世界的金融緩和で日銀の策は限定的だが選挙後の景気刺激策は期待できるか?PBR1倍下値目処としてEPS低下を懸念しなくていいか?逆に年内上値目処は?

景気刺激策は期待できると思う。PBR1倍近辺なのでEPSの微増減は気にしなくてよいだろう。日経平均の年内上値は24,200円を予想。

●今回の米国利下げを皮切りに通貨安戦争みたいなことがおきてしまうのでしょうか。その際の日本円はやはり円高になってしまうのでしょうか。

ならないだろう。観測の段階で利下げを織り込んでこの水準がキープされているということは、実際にFedが利下げしたらいったんは材料出尽くしとなるだろう。そもそも金利差という点だけでは為替を決める要因としては小さいウェイトでしかない。

●二度の利下げまで織り込んで史上最高値を更新し続けているNYダウですが、PERも18倍超えでVIX指数も異常な低さ。前回ピークアウトの水準まできていて近々急落の危険性はありませんか?

これから米国企業の2Q決算発表が始まるが減益の予想も出ている状況では「株価は最高値、でも企業業績は減益」と割高感が募る。金利対比のバリュエーション(イールドスプレッド)の点ではまだ余裕があるものの、PER20倍の前でいったんは売った方がよいと考える。

●日経平均は統計的に8月に下落することが多いですが、今年の8月も同様の展開になりそうですか。

ここまで鳴かず飛ばずできているのでそうはならないのではないか。これから秋の消費増税に向けて景気を落ち込ませないための対策が出てくる。また8月ぐらいから景気回復の兆しがでてくるのではないか。

●銀行株は、この先も鳴かず飛ばずでしょうか?

金利が上がらないと銀行株は上がらない。今金利が上がる環境下にあるかというとむしろ逆だ。世界的に金融緩和に向かっている中では銀行株は上がりようがない。また銀行全体の再編やリストラもなかなか進まないだろう。当面銀行株へは期待しづらいだろう。

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広木 隆
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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