4月下旬からスタートした3月決算企業の本決算発表も5月中旬に終了し、それから2カ月近くが経過しました。そのため業績予想や目標株価、さらに投資判断の見直しも随分と進んだと思われます。そこで今回はTOPIX500採用の3月決算銘柄のなかから決算発表後に強気(強気とやや強気の合計)が3人以上増えたものをピックアップしてみました。
そのなかでも強気評価の増加が特に目立つのがイビデン(4062)で、決算発表前に2人だった強気評価が昨日時点では8人となり、14%強だった強気評価の割合が57%余りまで上昇しています。また、日立建機(6305)でも2人から6人と決算発表後に強気評価が4人増加しています。
決算メモ
●安川電機(6506)- 不透明感残る1Q決算 -
安川電機が11日に発表した2020年2月期の第1四半期決算は売上高が前年同期比16.2%減の1074億円、営業利益が同58.2%減の72億円となりました。売上高は半導体製造装置や工作機械などに組み込まれるサーボモーターが半導体市場全般の投資先送りの影響や米中貿易摩擦の影響拡大などで苦戦したことに加え、ロボットも一般産業分野での自動化投資が勢いを欠いたことで伸び悩み二桁の減収となりました。こうしたなか営業利益は大幅な減収や操業度低下による利益率の低下などもあって大幅な減益となっています。
第1四半期の受注は前四半期との比較でサーボモーターが10%増、ロボットがほぼ横ばいとなりボトムアウトしたようにもみえます。特にサーボモーターは中国での受注が3月から一気に立ち上がったことで81%増と大幅な回復をみせています。また、ロボットも中国での受注が20%増となっています。しかし、サーボモーターはこのまま回復が続くとみていた中国で6月に入って一旦受注の伸びが止まっているようで先行きがなかなか見通せない状況となっているようです。また、ロボットも案件は多くあるものの受注が先送りとなっている状況のようです。
第1四半期は売上高と営業利益ともに社内計画を下回ったようですが、中国での後半の立ち上がりに期待して通期の業績予想(売上高で前期比2%減の4650億円、営業利益で同6.6%減の465億円)は据え置きとなりました。しかし、足元での受注に不透明感が強まるなかで計画未達への懸念が高まる可能性もありそうです。
金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト
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