不動産に対する財産評価

不動産については、ケースの多い被相続人の居住地の相続の場合と、それ以外の不動産について、評価方法をご紹介させて頂きます。なお不動産を評価する際は、土地と家屋を分けて評価致します。

①家屋の評価方法
被相続人居住地:毎年6月に発行される固定資産税評価額
貸家:家屋の固定資産税評価額の70%

②被相続人の居住用の土地(自用地)評価方法

被相続人所有の土地の場合:路線価方式もしくは倍率方式によって評価
被相続人が借地に家屋を建てていた場合:自用地の評価額×借地権割合

③駐車場や更地の評価方法

路線価X面積、もしくは固定資産評価額×評価倍率

④賃地・賃地貸付地の評価方法

自用地の評価額

⑤農地・山林の評価方法

固定資産評価額、宅地比準方式をベースとして計算する

以上が概要となります。農地山林については、各土地の立地環境によって分類を行い、各分類ごとに評価方法が異なりますが、係るベースは固定資産評価額、宅地比準方式となります。

財産評価の課題

以上のように財産評価の基本的な考え方について、金融資産、不動産の2カテゴリーに分けて概要を説明させて頂きました。

財産評価の原則は「時価」ですが、例えば、土地評価について、「路線価方式」が採用されておりますが、この評価基準制度の下では、1年に1回の路線価の付設であるため、仮に1年以内に大きく地価が変動した場合について、明確な基準が定まっていません。(国税庁長官の指示によって評価をし直す旨定めてはあります)。

仮に相続予定の土地がある場合については、有識者(不動産鑑定士等)に、相談しておくことも一案かと思います。常に流動する資産価値をどのように評価すべきか、一層の制度見直しが問われております。また、昨今の金融商品についても、多くの派生商品が流通しており、これら複雑な資産形態に対して、評価方法をどのように変更していくかについても大きな課題となります。

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