旅客機の買い手が見つからない理由

今回、スカイマークがエアバスを購入断念したように、飛行機購入を航空会社が断念した場合、製造会社は他の航空会社に飛行機を買ってもらえばよいのですが、現在の航空会社は、原油の高騰などやLCC(格安航空会社)参入により、激しい価格競争に陥っておりどの会社も経営が苦しい状態になっています。

新しい機体を購入する会社を探すのが困難なことに加え、スカイマークのケースでは、大型旅客機ということが課題になりました。飛行機は購入後も格納しておく場所やメンテナンスが必要になるため、大型機だとその分場所も必要になります。

かつては主流であった大型旅客機においても人気に陰りがみえます。大型旅客機では、乗客の人数を集めないと採算が合わず、またLCCは大型機をあまり使用せず、さらに原油高でコストが嵩みます。航空会社の経営状況と機体の不人気により、買い手がみつからないという事態を起こしていると考えられます。

飛行機は製造するにもコストと時間がかかりますが、製造した後もメンテナンス費用が随時発生します。飛行機製造会社が、保管している間にも費用が発生するため、今回のように、購入した会社がキャンセルするとなると飛行機製造会社とっては、大きなダメージとなる事が予想されます。違約金が発生するのは、避けられない状況かもしれません。


競合他社の状況

2012年に、日本が40年ぶりに、日本製の飛行機の製造を手がけているというニュースが流れました。ANAがすでに購入予定という事ですが、この後実際に試験運用を開始して本格的に運航開始となるのは、まだまだ先でしょう。ですが、今後LCCによる購入により、飛行機は需要が高まることも予想されます。

ただ、パイロット不足や機体によって操作方法が異なるため、航空会社各社もできればあまり製造会社を変えたくないというのが意向のようです。なので、今後も他社が参入するのは難しいでしょう。


今後の航空製造業界の行方

いろいろな事情がありますが、それでも飛行機は現状やはり一番早い乗り物です。特に日本は、飛行機なしで外国にいく事は難しい国です。またそれだけに、必要とされる国として飛行機会社から注目される国の一つにはなります。今後より多くのLCCが参入することで日本の航空業界も活気づいてほしいものですし、スカイマークは特に日本で最初にできたLCC会社です。なんとかエアバスは交渉決裂せずに、よい結果に運んでいってもらいたいものです。

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Photo from エアバスA380 via Wikipedia cc