7月下旬からスタートした3月決算銘柄の第1四半期決算も先月中旬で終了となりましたが、7月中に一足早く決算を発表した銘柄ではアナリストによる業績や目標株価の見直しも一通り終わったと思われます。そこで今回は7月31日の取引時間中に決算を発表したTOPIX500採用の3月決算銘柄を対象に決算発表後に2社以上が目標株価を引き上げたもの(足元の株価を上回るもののみ対象)をピックアップしてみました。

投資のヒント
(画像=PIXTA)

そのなかでも目標株価の引き上げが特に目立ったのが第一三共(4568)で、第1四半期の営業利益が前年同期比で90%余りの大幅な増益となったことで決算発表後に8社が目標株価を引き上げています。また、第1四半期の営業利益が前年同期比で80%近い増益となったLIXILグループ(5938)でも決算発表後に3社が目標株価を引き上げています。

決算発表後に2社以上が目標株価を引き上げた3月決算銘柄
(画像=マネックス証券)

決算メモ

●ツルハホールディングス(3391)-1Qの営業利益は社内計画を上回って着地-

ツルハホールディングスが17日に発表した2020年5月期の第1四半期の決算は売上高が前年同期比9.3%増の2088億円、営業利益が同11.8%増の126億円となりました。売上高は不採算店を中心に閉店を進めたことで国内が1店舗、海外も1店舗の純減となりましたが、国内の既存店売上高が1.9%増と堅調に推移したことで1割近い増収となりました。また、営業利益は販管費が人件費の増加で売上高を上回る伸びとなったものの、調剤部門やプライベート(PB)商品での粗利の改善で吸収し二桁の増益を確保しています。

第1四半期は売上高と販管費が社内計画の水準に着地した一方で、粗利が上振れたことから営業利益は社内計画を上回ったようです。しかし、通期の業績予想(国内83店舗の純増と0.8%増の既存店売上高を前提に売上高が前期比4.8%増の8200億円、営業利益が同4.5%増の437億円)は据え置きとなりました。この通期予想は第1四半期の出来からするとやや保守的にもみえますが、10月の消費税引き上げによる影響が不透明であることから予想の上方修正には踏み切らなかったようです。

金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト

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