子供の頃のテストの記憶が勉強の邪魔をしている!
資格試験に合格するためには、「自分は合格できる」と思って勉強することが大切だ。とはいっても、難関試験の場合は、なかなかそうもいかないだろう。しかし、メンタルトレーナーの西田一見氏は、誰でも「脳を騙す」ことでプラス思考に切り替えられると言う。
合否のカギを握るのは脳の思考習慣
合格できるか否かは、頭の良さや勉強時間、学習法などで決まると考えている人が多いでしょう。しかし実際は、「自分はできる」と思えるかどうかが合否のカギを握っています。
「自分にはできない」「どうせムリだ」と考えていたら自信を喪失し、勉強のモチベーションも上がらず、途中で挫折しやすくなります。合格したいなら、「自分はこの資格を取れる!」という前提で勉強を始めることが何より重要です。
「できない」「ムリ」と考えてしまうのは、脳がマイナスの思考習慣に陥っているからです。
人間の脳は過去の体験をすべて覚えています。特に感情を伴った記憶は長期的に覚えているため、「子供の頃にテストで悪い点を取ったら、親に叱られて悲しかった」といった体験があると、「勉強=嫌い・苦手」と条件づけされた記憶がずっと脳に残り続けます。だから、大人になっても、「勉強しよう」と考えると脳が自動的に「イヤだ」「できない」と反応してしまうのです。
よって、資格試験に合格したいなら、まずは思考習慣をマイナスからプラスに切り替えること。どうするかと言えば、脳を騙せばいいのです。「勉強=嫌い・苦手」と条件づけされているなら、「勉強=好き・楽しい」という感情を伴った記憶に塗り替えればいいわけです。
本当の目的は合格の先にある
脳を切り替える方法は、主に三つあります。
一つ目の方法は、「イメージを変える」です。具体的には、「資格を取得して、自分はどうなりたいのか」を考え、ワクワクするような将来のイメージをできるだけ詳細に思い描きます。
多くの人は、資格試験に合格することを目的とします。しかし、「会社から資格を取れと言われたから」といった理由で仕方なく勉強しても、結局、「勉強=嫌い・苦手」という条件づけは変わりません。
一方、資格試験に合格した先にある「自分の人生をどうしたいのか」という本質的な目的を見つければ、勉強の条件づけがガラリと変わります。「資格試験に合格して周囲から尊敬されている自分」「資格を活かしてトップセールスになった自分」といったイメージがあれば、資格試験のための勉強が「自分をワクワクする未来に近づけてくれる楽しい作業」に変わり、脳も「勉強=好き・楽しい」と思い込んでくれるのです。
イメージは、紙に書き出すと、より具体化します。お勧めは、自分の目標を登山にたとえてイメージを書き込む「アプローチシート」を作ること。山の裾野から頂上まで五つの番号を振り、それぞれの地点にいるつもりで、その時点の自分をイメージします。具体的な方法は下の図を参考にしてください。