小売企業を中心とした2月決算企業の上期決算発表が先月中旬からスタートしていますが、こうしたなかで先週も多くの企業が決算を発表しました。9月30日にはカジュアル衣料大手のアダストリア(2685)や婦人服のしまむら(8227)などが、2日には家具やインテリアのニトリホールディングス(9843)などが、そして4日にはアパレル大手のオンワードホールディングス(8016)などが決算を発表しました。

投資のヒント
(画像=PIXTA)

今週はこうした小売企業を中心とした2月決算企業の上期決算発表が一段と本格化します。例えば本日は宝飾のヨンドシーホールディングス(8008)が決算を発表するほか、明日は百貨店のJ.フロント リテイリング(3086)などが決算を発表する予定です。さらに9日にはコンビニ大手のローソン(2651)やファミリーマート(8028)、大手スーパーのイオン(8267)などが、10日には無印良品を展開する良品計画(7453)などが、そして11日には百貨店の高島屋(8233)などが決算発表を予定しています。また、小売り企業ではありませんが10日の安川電機(6506)の決算発表にも注目が集まりそうです。

◆2月決算銘柄の上期決算発表スケジュール(10月7日-11日) ◆2月決算銘柄の上期決算発表スケジュール(10月7日-11日)
(画像=マネックス証券)

決算メモ

●ハイデイ日高(7611)‐ 上期は18年ぶりの営業減益に ‐

ハイデイ日高が9月27日に発表した2020年2月期の上期決算は売上高が前年同期比で微減の211億円、営業利益が同11.0%減の22.8億円となりました。売上高は、働き方改革により会社員が早い時間に帰宅するようになったことで「ちょい飲み」需要が減少したことや、従業員の残業を減らすために店舗の営業時間を短縮したこと、さらに近くの飲食店がアルコールの値下げを実施し競争が激化したことなどにより既存店売上高が前年同期比2.8%減と前年割れとなったことなどからほぼ横ばいに止まりました。

また、営業利益は売上高が横ばいとなるなかで、生ビールを値下げしたことなどにより粗利益率が低下したことに加え、人件費や光熱費、賃借料の増加で販管費がアップしたことで二桁の減益となりました。この結果、上期の営業利益は18年ぶりの減益となり、会社計画を3億円余り下回っています。ただ、ハイデイ日高では8年ぶりに餃子をリニューアルした効果や下期に粗利益率の改善が見込まれることもあって通期の業績予想(売上高で前期比3.9%増の435億円、営業利益で同1.5%増の48億円)を据え置いています。

日高屋の店舗数が東京、千葉、埼玉、神奈川といった1都3県を中心に400店舗余りまで増えるなかカニバリへの懸念から出店をあきらめるケースも増えているためハイデイ日高では新業態の開発を進めています。ちゃんぽん専門店を年内にオープンさせるほか、パスタ専門店や餃子専門店、本格的ラーメン店を今後展開していくとしています。また、これまで11-12%と業界のなかでも高い営業利益率を維持してきたハイデイ日高ですが、従業員の待遇改善のために今後は利益率が10%を割ることもあると会社側では説明しています。

金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト

【関連リンク マネックス証券より】
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