勝ちパターンの企画書を応用・発展させる3つの方法
次に具体的な応用、発展のさせ方を共有しておきたい。
確かに応用力というのはこれまでの知見や経験の蓄積がものをいう総合力という一面もあるかもしれないが、そんな総合力は一朝一夕には育たないので、もっと手っ取り早い方法を紹介する。
何かを応用、発展させたい場合は次の3点のいずれかの可能性から模索したい。
1)何かを加える
これは最もオーソドックスな企画作りの発想で、既存のモノに何を加えたらもっと魅力的なモノになるのかということなので、分かりやすいと思う。
既存のモノに何か1つ加えるだけで斬新なものに変わったり、提案に変わったりするので、まずは最初にやってみたい方法になる。
スマホやスマホ用のアプリの進歩などは「何かを加える」企画の結果に違いない。
2)何かと掛け算する
どんな業界の営業パーソンでもピン!とくるのは「生命保険」×「損害保険」=「医療保険」といった掛け算の発想。歴史的には生命保険が第1分野、損害保険が第2分野とされ、その後規制緩和により第3分野に各社が参入した事例。
保険という大きな事例で紹介したが、どんな小さいもの同士の掛け算でも、小さいものと大きなものの掛け算でも、モノとサービスの掛け算でも何でも構わない。
3)「切り口」を変える
カップ麺を「ラーメン」という切り口ではなく、「スープ」という「切り口」に変えて販売するといった発想。
ちなみにこれはアメリカ市場で当初苦戦したカップヌードルが取った戦略。なので、アメリカのカップヌードルは日本より麺が短いのだ。
もちろん、ベースとなるモノを応用、発展させる方法はほかにもあるはずなので、この3点以外でも自分のやりやすい方法があれば、どんどん使っていい企画書を量産して欲しい。
最後にもう1点アドバイスになるが、結局、足し算、掛け算、切り口といっても、その素材となる情報をどれだけ豊富に持っているかが肝心なので、日常からネットだけでなく、新聞、書籍、専門書、論文などからの情報収集を習慣化することをお薦めしたい。
(出典:営業サプリ https://www.eigyousapuri.jp/ )
*オススメ記事
目指す営業パーソンの理想像を設定する
誰でも最短で「売れる営業」になれる方法
https://bit.ly/2ZiMWgN
大塚 寿(おおつか・ひさし)
エマメイコーポレーション代表取締役
1962年、群馬県生まれ。1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、『オーラの営業』(Nanaブックス)、『仕事をつくる全技術』(大和書房)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など多数。共著に『法人営業バイブル』(PHP研究所)など。(『THE21オンライン』2019年09月30日 公開)
【関連記事THE21オンラインより】
・「登場人物のチャート図」で、顧客が発注先を決める瞬間をつかむ
・顧客と信頼関係を構築するための「5つの武器」
・伝わる企画の立て方……まずは全体の構成・骨子から考えよう