その他遺産分割協議書を作成する意味と専門家
このように遺産分割協議書を作成する意味としては、
①遺産分割協議をした証拠を残す
②相続登記の添付書類とする
③相続税の特典を受けるための書類として添付する
という意味があると言えます。
これ以外にも故人の凍結された銀行口座を利用するために金融機関が遺産分割協議書を求めることがありえます。遺産分割協議書の作成については、相続税の発生が予想される場合には税理士へ相談されることが必要不可欠と言えるでしょう。相続税についてのスペシャリストは税理士(あるいは一部の公認会計士)しかおらず、相続税の複雑な計算・調査を行うためには税理士の助力が事実上必要不可欠です。
相続税が発生するということは相当な遺産があるケースですので、税務署からも遺産についての「お尋ね」が届くことがほとんどです。このような場合には相続税に詳しい税理士(公認会計士)へすぐに相談をして可能な限りの相続税対策と申告手続きを行ってください。その過程で遺産分割協議書も作成することとなるでしょう。一方で相続税が発生しない場合には、ゆっくりと時間をかけてでも、相続人全員が納得できる遺産分割が重要と言えます。
相続税が絡まなければ、遺産分割協議自体にはいくら時間をかけても法律上基本的には問題はなく、当事者が納得できる話し合いをすることが次の世代の良好な関係を維持するためにはとても重要といえます。
この場合には当事者で、あるいは、必要に応じて書類作成の専門家である行政書士・司法書士へ相談されつつ、当事者の気持ちや経済実情(子供の進学のためにお金が必要など)に配慮した分割をされることが良好な親族関係のためには大切といえるでしょう。
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