相続する車を廃車にする場合の手続き方法

相続する車を廃車にする場合でも、前述の名義変更の手続を行ってからでなければ廃車手続きを行うことはできません。ですので、廃車する場合は、名義変更と同時に行なっていきます。
単独相続の場合は、名義変更を行った後、相続した名義人が廃車手続きを行います。

共同相続の場合は、遺産分割協議書または遺言書に基づいた相続人へ名義変更を行い、名義人が廃車手続きを行います。

また、多額の借金やローンが残っている場合で自動車の資産価値があったとしても、相続を放棄する場合は、廃車処分を行うことができない場合があります。自動車のローンが残っている場合、その自動車の所有者はディーラーや販売店である場合が多く、相続人が廃車とすることができません。この場合は、ディーラー等の担当者が措置を行うこととなります。

自動車のローンが残っておらず、所有者が被相続人で、相続人が相続を放棄する場合は、勝手に自動車を処分することはできません。自動車に資産価値があるとみなされているため、相続を放棄した場合は、財産を勝手に処分することで「不当な破産財団価値減少行為」とみなされ、相続放棄の権利を失ってしまいます。

この場合、家庭裁判所に申し立てをして専任された相続財産管理人が、車両を売却または廃車処分を行い、債権者へ分配ということになります。
相続放棄を考えている場合、一番よい方法は生前に財産価値のあるものは売却・処分をしてもらうことです。負債が多額の場合は、考慮しておくとよいでしょう。

【参考】
遺産分割協議書とは?〜家族間のトラブルを防ぐ上で大切なこと〜

相続する自動車の査定額と相続税控除額

自動車は相続財産の対象となるので、どのくらいの資産価値があるかは査定によって決まります。

その額によっては、相続税で支払う金額が変わってくる場合もあります。相続税には、「相続税控除額」があり、控除額以内であれば相続税はかかりません。父・母・子供2人の家族で父が死亡した場合、法定相続人は3人となります。相続税の基礎控除額は5,000万+(1,000万×3人) = の8,000万円となり、父の相続財産が8,000万円以内であれば相続税を支払う必要がありません。

よって、車の財産評価によっての相続税の増減はなくなり、自動車の評価の必要はなくなります。しかし、相続財産が控除額に近い、または控除額を超えている場合は、相続する自動車をて評価額を査定しなければなりません。評価額は、中古車買取り業者の査定額を参考にしたり、相続開始時の新品価格から減価償却相当額を控除した価格で出す場合があります。