(本記事は、大久保 豊、西村 拓也、稲葉 大明、尾藤 剛、小野寺 亮の著書『人工知能と銀行経営』きんざいの中から一部を抜粋・編集しています)

デジタル・プロセス・リエンジニアリングとイノベーション

わずか数年で大きく飛躍した人工知能と新結合できる私たちは、きわめて幸せなフロンティアにいます。この“新結合”が、数年で完成するとは到底思えません。産業革命は100年にも及ぶものです。私たちは、「人工知能」と「人間」をどう結合し、イノベーションを起こすかの“発起点”にいるのです。

AIが人間機能を代替し、錆びれた社会になると悲観するのはおかしな考えです。“発起点”にいま生きている私たちは、“やりたい放題”のワクワクする時代に生きているのです。そんなチャンスを、きっと後世の人たちは羨むことでしょう。AIと人間の協業設計・実行・修正・発展は、2~3年で終わるものではありません。

そして、AIとの協業は、『新しい人間価値』と『働きどころ』を生むのです。私はそう確信しています。そして、読者の皆さん全員がそのチャレンジャーとしての有資格者です。20代、30代の若手はとにかくAIにかかわった仕事をしたいと考え、チャンスを希求しています。

しかし、産業構造の集約が進んでいる製造業、流通業や商社において、それができるポジションは多くなく、なかなかその輪に入れません。

一方、銀行・地域金融機関は特殊な環境です。同一都道府県内にて多数の企業体が存在しています。そこに皆さんは在籍しています。AIと人間の新結合の世界に自らの立場を置けるチャンスが目の前にあるのです。このチャンスをしっかりとつかんでください。さらに幸運なことに、つかんだチャンスは2~3年では決して終わらず、皆さんの長い人生の活躍場所となるでしょう。

そして皆さんの行動が日本のAI人財の“苗床”となり、地域経済、中小企業へのAI展開の活動原子となるのです。なんて恵まれて、ワクワクする時代と環境に皆さんが生きているか、ぜひ感得してください。

人工知能と銀行経営
大久保 豊(おおくぼ・ゆたか)
西村 拓也(にしむら・たくや)
稲葉 大明(いなば・たいめい)
尾藤 剛(びとう・つよし)
小野寺 亮(おのでら・りょう)


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