組織図から読み解けない場合は電話で確認する

こうした内部情報をどのようにして把握するか疑問に思ったかもしれないが、これはターゲット顧客のHPの組織図や人事異動情報、上場していれば有価証券報告書の組織図や組織体制に関する記述を参考にして判断すればいい。

その方法で把握できない場合は、相手企業の情報システム部、人事部、広報部などのいずれかの部署に電話を掛けて聞いてしまうのが手っ取り早い。

参考までにトークを紹介すると、「ソリューションセミナーの案内状の件で、1点お聞きしたいのですが、御社の基幹システムはユーザー部門で担当されているという理解でよろしいでしょうか」といった感じだ。

口実があると電話の難易度が下がる。随分先のセミナーでも展示会でも構わないので、事前に口実を考えておくとよい。

売る商材によって「セオリー」はいろいろ

この他のざっくりしたセオリー、タイプ分けを紹介しておくと、バイトやパートさんの採用であれば、担当しているのは人事部なのか、店舗運営部なのか、実際の店舗なのかは、組織図とチェーンの規模である程度特定できる。

あるいは、営業などの研修であれば、自社で研修子会社を持っている場合はそこの営業研修部が窓口になる場合が多く、そうした子会社がない場合は人材開発部、営業企画系の部門、営業本部などが窓口になる。

営業アプローチ,大塚寿
(画像=THE21オンライン)

また、中小企業でオーナー企業の場合は、年間数百万円以上の規模感の取引は、社長を営業窓口にできている営業パーソンが圧倒的に有利になることも知っておきたい。

この機会に、一度ターゲット先の精度を高める取り組みをしてみよう。

(出展:営業サプリ https://www.eigyousapuri.jp/

オススメ記事
コツは期限設定にあり!成約率を高めるためのクロージング方法
https://bit.ly/2mVgcaM

大塚 寿(おおつか・ひさし)
エマメイコーポレーション代表取締役
1962年、群馬県生まれ。1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、『オーラの営業』(Nanaブックス)、『仕事をつくる全技術』(大和書房)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など多数。共著に『法人営業バイブル』(PHP研究所)など。(『THE21オンライン』2019年10月17日 公開)

【関連記事THE21オンラインより】
「顧客の課題」をうまく聞き出す6つの方法
勝ちパターンは過去の企画書から学べ!
「登場人物のチャート図」で、顧客が発注先を決める瞬間をつかむ