「月足チャート」「逆日歩」「見せ玉・建玉」などの投資用語を正しく読むことはできているだろうか。投資用語の中には、日常では使われない、意外と読み方が難しいものもある。12の投資用語を取りあげ、読み方と意味、使うシーンなどを見ていこう。

(1) 月足 (チャート)

月足チャート
(画像=Golden House Studio/Shutterstock.com)

「つきあし (チャート) 」と読む。「げっそく (チャート) 」ではない。株価の動きを表すのは、ロウソク足チャートが一般的で、1ヶ月毎の値動きを表したチャートを月足という。比較的長期のトレンドを追うのに月足は利用されることが多い。同様に、1週毎の値動きを週足 (しゅうあし) 、1日毎の値動きを日足 (ひあし) と読む。

(2) 逆日歩

「ぎゃくひぶ」と読む。「ぎゃくにっぽ」ではない。信用取引 (制度信用) では、証券金融会社が買い方には資金を融資し、売り方には株券を貸し出すことで株式取引を成立させている。株価が急騰した銘柄に空売りが多く入ると、証券金融会社の手元に貸し出すための株券が不足する。そのため証券金融会社は銀行や保険会社などからお金を払って株券を借りてくることになる。このコストが逆日歩だ。

(3) 見せ玉・建玉

「みせぎょく・たてぎょく」と読む。「みせだま・たてだま」ではない。株式投資では、株、あるいは手持ちのポジションを「ぎょく」と呼ぶ。見せ玉は、自分の商いを有利に成立させるために、売買の成立の意図がない売買注文を出したり取り消したりすることだ。あたかも活発な取引であると見せかけ、他の投資家の取引を誘引する見せ玉は、金融市場の公正な価格形成を歪める行為のため法令諸規則等により禁止されており十分に注意したい。建玉とは、信用取引や先物取引などにおいて、未決済で建てているポジションのことをいう。

(4) 貸借倍率

「たいしゃくばいりつ」と読む。信用取引における買いと売りの比率を表し、「買い建て株数÷売り建て株数」で算出される。買い建てが多いと1倍を超え、売り建てが多いと1倍を割り込む。したがって一般的には株価が上昇するときは信用買いが増えるため貸借倍率が上昇する。しかし、あまりにも倍率が大きい場合、将来の売り圧力になる可能性がある点には注意しておきたい。また、売り残 (うりざん:空売りとも呼ばれる) が増えて貸借倍率が1を割り込むようだと、品不足になり逆日歩がつく可能性があるので売り建てる場合には注意が必要だ。

(5) 追証

「おいしょう」と読む。「ついしょう」ではない。信用取引をする上で登場する投資用語。信用取引では、委託保証金 (担保) を差し入れる必要があり、通常、最低保証金率は30%で最低保証金額が30万円だ。つまり30万円の担保を入れることで、約100万円まで信用取引で株式投資が出来るわけだ。信用の買い建てで値下がりした場合、売り建てで値上がりした場合の含み損、もしくは担保として入れた有価証券の値下がりで、保証金率が最低の維持率を下回ると、決められた期日までに追加の担保を預入れる必要がある。この追加の担保が追証だ。

(6) 一目均衡表

「いちもくきんこうひょう」と読む。「いちめきんこうひょう」ではない。株式チャートのテクニカル分析手法のひとつ。トレンド分析に長けた「テクニカル指標」として、移動平均線とともに多くの投資家が利用している。

(7) 端株

「はかぶ」と読む。「たんかぶ」ではない。株式投資では最低投資単位 (1単元) が決まっており、1単元100株が一般的である。ただ株式分割や企業合併などで1単元に満たない保有株が出ることがあり、その株を端株という。端株は取引所では商いが出来ないため、発行会社に買い取り請求を出して売却するか、買い増し請求で単元株にして市場で売却する必要がある。証券会社によっては端株の取引を受けてくれる会社もあるようだ。

(8) 呼値

「よびね」と読む。「よぶね」ではない。株式の売買で最小の値幅を呼び値という。たとえば3,000円以下の株なら1円単位、3,001円から5,000円までは5円単位、5,001円から10,000円までは10円などと決められている。なおTOPIX 100の構成銘柄については、1,000円以下で0.1円など、さらに呼び値が細かく決められている。例えば、大和証券グループ本社<8601>の2019年7月末の終値は471.5円であり、小数点以下があるのはそのためだ。

(9) VWAP

ここからは読み間違いというよりも読み方に迷う投資用語だ。「ブイワップ」とよむ。売買が成立した値段と株数を加重平均した価格をVWAP (出来高加重平均) という。機関投資家を中心に利用されており、その日の引け値よりも一日のVWAPを執行価格の目安として使うことが多い。株価動向や売買タイミングを計る必要がなく、大量の株式を一度に市場で売買する場合と比べて、株価に与える影響を緩和することができるなどのメリットがある。

(10) MACD

「マックディー」と読む。認知度の高いテクニカル指標のひとつで、オシレーター系の代表であり、売られすぎ、買われすぎの転換点を分析するのに有用とされている。

(11) EBITDA

「イービットダー / イービットディーエー」と読む。業績などのファンダメンタルズ分析に使われる数値で、「EBITDA=税引き前当期利益+支払利息-受取利息+減価償却費」 (または、「EBITDA=営業利益+減価償却費」) の計算式で表すことができる。

法人税率や減価償却は国によって違うため、企業の収益力を比較するにあたり「税引き前利益」が利用される。国際比較する場合にEBITDAが使われることが多い。

(12) TDnet

「ティー・ディー・ネット」と読む。東京証券取引所が運営する適時開示情報伝達システムのこと。企業の開示を公平・迅速かつ広範に行うために電子化したシステムだ。TDnetはインターネットで閲覧可能で、個人でも機関投資家と同じように、企業開示をリアルタイムでチェックできるシステムだ。

読み方で勘違いしやすい、あるいは迷いやすい12の投資用語を紹介した。すべて正しく読むことができただろうか。これを機会に正しい読み方や投資用語の意味を覚えておこう。(提供:大和ネクスト銀行


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