比較的、お金が貯まりやすい20代をどう過ごすかで、将来の資産額は大きく変わるといわれています。今回は、公的なデータをもとに20代の平均貯金額を紹介します。また、周りと差をつける資産形成術として、不動産投資をとりあげ詳しく解説していきます。
20代の平均貯金額は?どんな資産運用をしてるの?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2019)」によると、20代の金融資産保有額は下記の通りです。
単身世帯:平均値106万円 中央値5万円
二人以上世帯:平均値165万円 中央値71万円
中央値とは、値を順番に並べた時にちょうど真ん中にくる数値です。平均値は、極端に高い金額や極端に低い金額が含まれていると、全体の値が影響を受けてしまいます。そのため、実態を表すのはどちらかといえば中央値だといえるでしょう。
20代の貯金額の平均値・中央値を見ると、二人以上世帯の方が平均値・中央値ともに高く、貯金意識が高いことがうかがえます。貯金額が100万円未満と回答した人は、単身世帯では73.2%でしたが、二人以上世帯では50.0%でした(金融資産非保有者を含む)。
一方で、貯金額が1000万円以上と回答した人が、単身世帯では2.2%存在します。二人以上世帯では、貯金額1000万円以上と回答した人はいませんでした。
また、金融資産を保有している人の資産の内訳をみると、単身世帯では預貯金が67.2%と最も多く、続いて株式が12.1%という結果です。一方二人以上世帯では、預貯金が48.0%と最も多いところまでは同じですが、続いて割合が高いのは生命保険17.1%でした。
単身世帯・二人以上世帯のどちらにおいても、資産運用に興味があるものの、どのような投資商品を選択していいかわからず、とりあえず預貯金を選んでいる人が多いことがうかがえます。
メリット・デメリットを踏まえて自分に合った投資を選ぶ
メガバンクの普通預金の金利は0.001%、定期預金でも0.01%程度です。どのような投資を始めていいかわからないからといって、預金口座にお金を眠らせておくことは、賢い選択とはいえません。
機会損失を生まないためにも、早いうちから投資の知識を身につけ、「お金を増やす」サイクルを生活に取り入れましょう。
投資には様々な手法があります。手堅い投資商品といえば生命保険や個人向け国債ですが、預貯金と比較して、ほんの少しリターンが増える程度で、大きなメリットは期待できません。
一方、FXや株式投資は、成功すれば大きなリターンを得られますが、失敗すると一気に貯金を失うリスクがあります。FXや株式投資は情報収集や勉強が必須で、初心者が簡単に利益を出せるほど甘い世界ではありません。
こういったメリット・デメリットを踏まえたうえで、どのような投資手法を選択すればいいのでしょうか。20代が投資について考える時、一見選択肢にあがりづらいものの、実はメリットが大きいのが不動産投資です。
不動産投資というと、ある程度資産を形成した40代・50代で始めるイメージがあるかもしれません。しかし、最近では20代のうちから将来を見据えて手堅く不動産投資に取り組む人が増えてきています。
20代に不動産投資が適している理由
不動産投資のいいところは、FXや株式投資と比べて景気に左右されにくい点です。人間にとって欠かせない衣食住の「住」である不動産投資なら、安定的に収益を確保できます。低リスクで長期間に渡って家賃収入を受け取れる可能性が高いことが、不動産投資の魅力です。
また、FXや株式投資の場合、為替レートや株価が気になるあまり本業に支障をきたしてしまうケースも少なくありません。しかし、不動産投資は物件の管理や入居者の対応などはプロにお任せしている人がほとんどです。また最近では、サブリースといった空室保証のシステムを使っている人も多くいるので、実際は本業に支障をきたすことなく、ほったらかしで不動産投資をすることが可能です。
「若いうちにFXや株式投資にチャレンジして、将来的に不動産投資」という考え方を持つ人がいますが、本来は逆です。若いうちは、不動産投資で堅実に資産形成しつつ、本業に専念してスキルを磨くべきです。
そして、仕事をある程度自分の裁量でコントロールできるようになり、余裕資金も生まれた頃、不動産投資にプラスしてFXや株式投資に取り組む方が理にかなっています。
不動産投資を始めるにあたり「ローンが組めないのでは」と不安に思う人もいるかもしれません。しかし、勤め先や勤続年数など総合的な情報で判断されるため、20代だからといってローンが組めないというわけではありません。
不動産投資では、入ってくる家賃収入を返済にあてることになります。そのため、自分の持ち出しは毎月1万円程度のケースがほとんどです。金融機関も、物件の収益性を加味してローン審査を行うため、20代でも優良な物件を保有できるチャンスは十分あります。
メリットの多い不動産投資ですが、「何となく損をしそう」「金額の大きな投資は怖い」といった根拠のない理由で、足踏みする人も少なくありません。そのため、不動産投資のメリットや細かいリスクなどを専門家から十分に説明を受けた上で、早いうちから投資を始めることで、同年代に一歩先んじることができるでしょう。(提供:マンション経営ラウンジ)