運用の効率を高める信用取引は、投資家ならば知っておきたい手法の一つだ。

今回は信用取引のメリット・デメリットについて解説する。

運用効率が向上‥信用取引とは?

信用取引,残高
(画像=PIXTA)

信用取引とは、保証金を担保として証券会社に預けることで、保証金の約3.3倍の取引ができる制度のことだ。たとえば、30万円を保証金として預けた場合、約100万円分の株式を売買することができる。

保証金は現金でなく、株式でも代用可能なので、現在保有している株式を代用有価証券として保証金にすることで、追加資金がなくても始められる点も非常に便利だ。

運用効率が大幅に上がることが信用取引の最大の特徴だが、一方で相場が大きく動いた時には、損失が大きくなる可能性もある。そのため、十分に知識を身につけたうえで、信用取引を始めるようにしたい。

信用取引と現物取引の違い

信用取引と対比してよく使われるのは、現物取引である。

現物取引では、持っている資金の範囲内で株式を購入し、保有している株式を売却する。資金がない場合は株式を購入することはできないし、保有していない株式を売却することもできない。

これに対して信用取引では、保証金の約3.3倍という上限はあるものの、証券会社から資金を借りて株式を購入できる。また、保有していない株式を証券会社から借りて売却することもできる。このように「買い」ではなく「売り」から始められる点は、信用取引の大きな特徴だ。

信用取引では、取引の自由度が上がるとともに、少ない元手で大きな利益をあげられる可能性がある。

一方で、証券会社から借りた資金や株式は、期日までに返済しなければならない。加えて、委託手数料や金利・貸株料(かしかぶりょう)、逆日歩(ぎゃくひぶ)などさまざまなコストが発生する。

信用取引の3つのメリット

信用取引のメリットは主に3つある。メリットを活かせば、現物取引と比較して効率的に資産を増やすことが可能だ。

少ない自己資金で大きな利益を狙える

信用取引では、自己資金の約3.3倍の取引ができる。資産運用においては、取引金額の大きさが運用益にダイレクトに影響するため、少ない自己資金で何倍もの取引ができるのは、信用取引の最大のメリットと言えるだろう。

たとえば、取引金額100万円なら5%の運用益が出ても5万円にしかならないが、自己資金100万円で3.3倍の取引金額330万円なら5%の運用益で16万5,000円になる。資産運用ではしばしば運用利回りが注目されがちだが、運用利回りだけでなく取引金額も運用益を決める重要な要素だと知っておく必要があるだろう。

相場の上昇・下落どちらにもチャンスがある

現物取引の場合、値下がりした時に購入して、値上がりしたタイミングで売却することで、運用益を得ることができる。

たとえば、株価が100円の時に購入して、200円に値上がりしたタイミングで売却すれば、100円の運用益を受け取ることができる。しかしながら、値下がりが続いている場合、新しく取引を始めるタイミングが掴みづらいという難点がある。

しかし信用取引であれば、値下がりが続いているタイミングであっても、「売り」から取引を始められる。株価が500円の時に証券会社から株式を借りて売却し、400円になってから買い戻しをすれば、差額の100円分が運用益となる。

値上がりしている時は「買い」から「売り」で運用益を出し、値下がりしている時は「売り」から「買い」で運用益を出す。相場の上昇・下落にあわせて柔軟に取引できるのが信用取引のメリットだ。

「塩漬け株」「有望株」を有効活用できる

信用取引において証券会社に預ける保証金は、現金でなくてもかまわない。

現物取引で株式を購入したものの値下がりし、売却すると損失が確定するため、やむを得ず長期保有しているといったケースもあるだろう。また将来有望な会社なので、もっと長期間保有し続けたいというケースも考えられる。このような、いわゆる「塩漬け株」「有望株」を保証金として有効活用できるのは、信用取引のメリットの1つだ。

たとえば、塩漬け株100万円分を、代用有価証券として保証金の代わりにすることができる。株式を保証金の代わりとする場合、あらかじめ定められた代用有価証券掛目という評価率があり、その掛目に基づいて評価される。現金とは異なり、代用有価証券には価格変動リスクがあるため、あらかじめ決められた掛目を、時価に掛け合わせたものが、実際の代用有価証券の評価額となるのだ。

仮に代用有価証券掛目が80%とすると、塩漬け株100万円は80万円分の保証金として評価される。これに10万円の資金をプラスして保証金が90万円になれば、300万円分の取引を新たに始めることができる。

現物取引では、塩漬け株を活用して新たに取引することはできない。塩漬け株を時価で売却して100万円を取得後、さらに200万円の資金を用意して初めて、300万円近い新たな取引が可能となる。

塩漬け株を売却することなく代用して取引を始められる信用取引は、現物取引と比較して運用効率がはるかに高い。塩漬け株を長期保有している人や、優待目的で株式を保有している人は、積極的に信用取引を検討するといいだろう。

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信用取引のデメリット

信用取引にはメリットも多いが、一方でデメリットもある。デメリットをよく理解し、リスクに備えたうえで、メリットを最大限生かす工夫をすることが大切だ。

レバレッジをかけすぎないよう注意が必要

保証金の約3.3倍までレバレッジをかけられることは、信用取引の大きなメリットだ。一方で、節度を持たずに取引をすれば、保証金以上の損失を計上してしまう可能性がある。

現物取引の場合、100万円を元手に購入した株式が半額まで値下がりして50万円になったとしても、損失は50万円だ。一方信用取引では、100万円を元手に300万円分の株式を購入し、半額まで値下がりすると、150万円の損失が発生する。

レバレッジをかけられる分、負債を負うリスクがあることには注意しなければならない。

信用取引では、自分のリスク許容度をしっかり想定し、節度を持って取引することが大切だ。そうすることで、損失を抑えながら、効率よく資産を運用できる。

特有のコストにも留意

信用取引には現物取引にある委託手数料の他に異なる特有のコストが発生する。

売買手数料は、「売り」でも「買い」でも共通して発生する手数料だ。手数料の設定は証券会社によって異なり、取引金額に応じて増えていくことが多い。

売買手数料無料をうたっている証券会社でも、注文が執行された際の約定代金(やくじょうだいきん)や、建玉残高(たてぎょくざんだか)の状況等によっては、売買手数料が発生することが多い。手数料無料に条件がついていないかどうか、十分注意するようにしたい。

また、信用取引の特有のコストとして、金利・貸株料がかかる。金利とは、「買い」から取引を始める際に証券会社に支払うコストのことだ。保証金を担保として証券会社から資金を借りるため、必然的に発生するコストといえる。

一方で貸株料(かしかぶりょう)とは、「売り」から取引を始める際に証券会社に支払うコストのことだ。「売り」から取引を始める場合、証券会社から株式を借りて売却することになる。そのため、レンタル料としての貸株料が発生する。

SMBC日興証券では、売買手数料や現引・現渡の手数料が完全無料なので安心だ。

逆日歩(ぎゃくひぶ)は品貸料ともいわれ、「信用売り残高」が「信用買い残高」を超えた時に発生するコストのことをいう。逆日歩の金額は日々変化する。買い方が売り方に支払う金利を日歩と呼ぶが、株不足を招いている売り方が買い方に金利を払うことになるため、逆日歩と呼ばれている。

想定より逆日歩が高くついて運用益が圧縮されてしまうことがないよう、十分注意するようにしたい。

追加保証金が必要なケースがある

買い建て・売り建て銘柄の含み損が大きくなった場合や、保証金として担保にした株式が値下がりした場合、追加で保証金の差し入れが必要となるケースがある。

追加保証金が必要になった場合、すぐに現金を差し入れるか、建玉を返済しなければならない。期限までに対応しなかった場合、すべての建玉が決済されてしまうことになる。

追加保証金の発生を防ぐには、レバレッジを抑えることがシンプルかつ効果的だ。保証金に対して余裕のある取引金額に抑えておけば、多少含み損が発生しても追加保証金を求められることはない。

他にも、現物株式を担保とした場合、株価が下がると担保価値が落ちてしまい委託保証金維持率が追証ラインを割ってしまう可能性がある。保証金のうち現金の割合を上げて株式の割合を下げておく方法も効果的だ。そうすれば、株式の価格変動による影響を抑えることができる。また、自分なりの損切りルールを明確に設けて厳守することで、追加保証金の発生に振り回されなくてすむようになるだろう。

SMBC日興証券の信用取引の特徴

続いては、SMBC日興証券の信用取引の3つの特徴を紹介する。

約定代金・建玉残高にかかわらず売買手数料が無料

SMBC日興証券の日興イージートレード信用取引はダイレクトコースの場合に、大きな特徴がある。約定代金や建玉残高にかかわらず、売買手数料が完全に無料なことだ。これは信用取引をするうえで大きなメリットといえる。

通常なら取引の都度かかる売買手数料が完全に無料、現引・現渡の手数料も完全無料のSMBC日興証券は短期で取引するようなユーザーにはオススメだ。

売買手数料無料をうたっている証券会社でも、「1日の約定代金が〇万円以下」「建玉残高○万円以上」「現引・現渡の手数料はかかる」といった条件がついていることが多い。最初に取引を始めるハードルが下がるのは確かだが、高額な取引に移行すると、結局手数料に悩まされてしまうことになる。

売買手数料が完全に無料なら、その分、信用取引特有のコストに気を配れる。「買い」なら信用金利、「売り」なら貸株料や逆日歩に注意しておけばいい。

※日興イージートレードとはSMBC日興証券が提供するオンライントレードのサービス名称です。
※ダイレクトコースとは、パソコンやスマートフォンを使ってご自分のペースでお取引いただけるコースです。

管理費不要でコストが安い

信用取引では、「買い」「売り」などの建玉を保有した場合、建玉を管理するための管理費が保有期間に応じて発生することが一般的だ。1ヵ月で1株あたり10銭など、金額自体はたいしたことはないが、保有期間が長くなればそれだけ管理費は積み上がっていく。

SMBC日興証券の日興イージートレード信用取引では、管理費も無料だ。「買い」にしろ「売り」にしろ、保有期間を気にすることなく取引できる。

金利や貸株料、逆日歩といった信用取引特有のコストは発生するが、売買手数料や現引・現渡の手数料、管理費をなくし、投資家が取引に専念できる環境が整えられているといえるだろう。

大手だからこその調達力!約2,000銘柄から選べる

一般信用取引の売り建てをするには、各証券会社が株式を調達し、投資家に貸し出す仕組みとなっている。そのため、証券会社によって株式の調達力に差が生まれ、必然的に取り扱い銘柄が違ってくる。

SMBC日興証券は、大手だからこその調達力で、約2,000銘柄を取り揃えている。

信用取引建玉残高によってIPOの当選確率もアップ

SMBC日興証券はIPO(新規公開株式)の取扱銘柄数が多い。主幹事を担当するケースが多いのも魅力だ。「IPO優遇特典」では、信用取引建玉金額、お預り資産残高、新規口座開設でIPOの当選確率が上がるサービスも提供している。

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SMBC日興証券ならではの情報リサーチも魅力

信用取引で利益をあげるには、情報収集が欠かせない。国内5大証券の1つであるSMBC日興証券では、企業レポートや業界レポートなど、多彩なレポートが日々更新されている。最新の情報を入手できるのは、大手ならではの魅力だろう。

また、信用取引で「売り」から取引を始める場合、気になるのが逆日歩だ。逆日歩は日々変動することから、常にチェックするのが大変だという声も多い。こういった投資家の声を反映し、SMBC日興証券では「逆日歩予報」を提供している。

「逆日歩予報」とは、過去の膨大な市場データや逆日歩発生実績等を分析し、逆日歩の発生確率と大きさを予報する無料の情報サービスである。SMBC日興証券に口座を持っていれば、誰でも利用できる。信用取引を行う際の銘柄選びや取引の判断材料として活用することが可能だ。

情報力に強みを持つSMBC日興証券は、これから信用取引を始める初心者にも、信用取引でしっかり儲けを出したい玄人にもオススメの証券会社だ。

信用取引を始めるならSMBC日興証券

せっかく信用取引で運用益をあげても、差し引かれるコストが大きくては、効率的に資産を増やすことはできない。約定代金や建玉残高にかかわらず売買手数料、現引・現渡の手数料、管理費が無料であることは、取引をするうえで大きなメリットだ。

これから信用取引を始めるなら、SMBC日興証券での口座開設を積極的に検討したい。

なお、2020年3月1日(日)~4月30日(木)で「日興で信用取引キャンペーン」を実施。信用取引建玉残高に応じ、3月・4月合計880名様に各月最大10万円の現金をプレゼントしている。

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※SMBC日興証券株式会社のダイレクトコースで信用取引を行う場合、株式委託手数料は無料です。ただし、信用取引の買い付けの場合、買付代金に対する金利を、売り付けの場合、売付株券等に対する貸株料および品貸料をお支払いいただきます。信用取引を行うにあたっては、委託保証金を担保として差し入れていただきます。委託保証金は、売買代金の30%以上、かつ30万円以上が必要です。株式にご投資頂く場合、株式価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引を行う場合は、信用取引の額が当該取引についてお客様の差し入れた委託保証金を上回る場合があると共に、対象となる有価証券の価格の変動により損失の額がお客様の差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。詳細については、当該商品等の契約締結前交付書面等をよくお読みください。

商号等:SMBC日興証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2251 号 
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

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