【目次】
①️NexTone IPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【3/18更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【3/13更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社 NexTone
- コード
- 7094
- 市場
- マザーズ
- 業種
- サービス業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役CEO 阿南 雅浩 /1962年生
- 会社住所
- 東京都渋谷区広尾一丁目1番39号 恵比寿プライムスクエアタワー20F
- 設立年
- 2000年
- 社員数
- 62人(2019年12月31日現在)
- 事業内容
- 著作権等管理事業、デジタルコンテンツディストリビューション事業、 キャスティング・コンサルティング事業等
- URL
- https://www.nex-tone.co.jp/
- 資本金
- 819,762,000円 (2020年2月25日現在)
- 上場時発行済み株数
- 3,079,000株
- 公開株数
- 925,700株
- 連結会社
- 6社
- スケジュール
- 仮条件決定:2020/03/11→1,500~1,700円に決定
- ブックビルディング期間:2020/03/12 - 03/18
- 公開価格決定:2020/03/19→1,700円に決定
- 申込期間:2020/03/23 - 03/26
- 上場日:2020/03/30→初値1,660円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:東海東京証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- エイベックス・ミュージック・パブリッシング(株) 26.48%
- (株)フェイス 10.05%
- (株)アミューズ 10.05%
- (株)JRCホールディングス 8.63%
- 三野明洋 8.25%
- (株)ソニー・ミュージックエンタテインメント 4.42%
- (株)創通 3.95%
- (株)博報堂DYメディアパートナーズ 3.35%
- (株)コーエーテクモゲームス 3.01%
- (株)インターネットイニシアティブ 2.34%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/03 単体実績
1,604,432 36,085 41,676 793,115 - 2018/03 連結実績
2,331,899 103,467 61,283 1,209,269 - 2019/03 連結実績
3,239,801 186,254 129,593 1,343,632 - 2019/12 第3四半期連結実績
3,181,089 251,720 177,927 1,520,761 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の2020年6月27日まで、または上場後180日目の2020年9月25日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 15億7369万0000円(925,700株×1,700円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 281,400株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 株式会社NexToneは主に音楽の著作権管理を手掛ける企業である。エイベックス<7860>がグループ会社を通じ26%の出資を行い持分法適応会社としている。
■沿革
国内では2001年10月1日に「著作権等管理事業法」が施行され、それまでJASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)のみに認められていた著作権管理業務が民間に開放された。
それを受け同社の前身である株式会社イーライセンス(2000年9月設立)及び株式会社ジャパン・ライツ・クリアランス(以下JRC、2000年12月設立)が設立された。両社は各自事業展開を行っていたが、2016年2月に合併し株式会社NexToneとなり現在に至っている。
尚、エイベックスはイーライセンス及びJRCを持分法適応会社としていたが、両社の合併後も持分法適応会社としている。
■事業内容詳細
同社は主に3事業を展開している。
・著作権管理事業
・キャスティング事業
・その他
同社は著作権管理、配信音源供給、キャスティングに専念しており、ユーザーと権利保有者との仲介エージェントとして利用者から使用料を徴収し、コンテンツホルダー他に分配している。
●著作権管理事業
著作権管理事業は管理業務(著作権者から委託を受けた音楽著作物の利用許諾、著作権資料料の徴収・分配業務)と、配信プラットフォーム向け原盤供給(国内外の音楽配信プラットフォームに向けた音楽・映像原盤の供給)が主体である。
2019年3月期の管理作品数は132,297曲(期中新規作品数+25,410曲)である。尚、管理作品の11%はエイベックスの管理作品となっている。
●キャスティング事業
アーティスト稼働やライブへのユーザー招待、楽曲タイアップに関わる音楽コンテツの権利処理等を通じたコンテンツ利用促進コーディネートを行っている。
●その他
その他事業として著作権・原盤権等の管理処理システムの開発・提供、コンテンツ配信関連のシステム開発・提供、及び各種社内システムの開発・運用などを行っている。
■利用促進プロモーターについて
同社では“ヒット(しそうな)作品をできるだけ多く管理”(著作権管理事業)するのみならず、“プロモーション、配信、ライブ、CD/DVDなど、あらゆるツールを模索して利用促進”(キャスティング事業)を行っている。
同社の前身のJRCはアーティストマネージメントオフィス11社の出資によって設立された。よってキャスティング事業を得意としており、著作権管理事業とセットで事業展開することで全体の収益拡大を目指している。
■2019年3月期の売上構成
2019年3月期 売上高32億円
・著作権等管理事業 26億円(比率80%) セグメント利益5.1億円
・キャスティング事業 4.9億円(同15%) セグメント利益0.7億円
・その他事業 1.5億円(同4.7%)
著作権管理事業が売上の8割を占める主軸事業であるが、上述のようにキャスティング事業とセットでの事業展開により収益拡大を目指している。
また2019年3月期の主要な売上先は下記である。
・iTunes株式会社 7.4億円(割合23%)
・株式会社ティ・ジョイ 2.7億円(同8.2%)
・Google株式会社 2.3億円(同7.0%)
アップル系のiTunes及びGoogleが売上全体の約3割を占めている。尚、ティ・ジョイは東映系のシネマコンプレックス運営会社である。
■業績推移
2017年3月期 売上高16億円、経常利益0.4億円、当期純利益0.4億円
2018年3月期 売上高23億円、経常利益1.0億円、当期純利益0.6億円
2019年3月期 売上高32億円、経常利益1.9億円、当期純利益1.3億円
2020年3月期(予想) 売上高43億円、経常利益2.7億円、当期純利益1.7億円
※2018年3月期より連結決算
足元では年間約+10億円ペースでの増収を予想しているが、経常利益の増益幅は+1億円に届かない状態である。
今期(2020年3月期)も引き続き増収増益の予想であるが、Q3時点で売上高32億円、経常利益2.5億円であり、通期予想達成に向けての進捗は順調である。
■財務状況
2019年3月期末時点で資産合計31億円に対し純資産合計13億円、自己資本比率43%である。
借入金なく現預金20億円を有しており、財務状況に対し特段の懸念事項はない。
のれん(1.1億円)、ソフトウェア(3.2億円)の無形固定資産は存在するが、資産合計31億円の中で流動資産合計26億円のため非常に高い流動比率である。
■資金使途
IPOにより5.4億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・子会社である株式会社NexToneシステムズにおける著作権管理業務に係る各種システムの開発費0.7億円
・設備資金→著作権等管理業務におけるシステム開発費2.3億円、基幹業務統合システム開発費0.5億円、本社オフィス拡張にともなう設備投資0.4億円
・運転資金→増加人員の採用費等の人件費0.7億円、広告宣伝費0.3億円、本社オフィス拡張に伴い新たに発生する賃借料0.5億円
調達資金の半数は著作権等管理業務におけるシステム開発費などの設備資金に充当される。
■株主構成
エイベックスのグループ会社であるエイベックス・ミュージック・パブリッシングが筆頭株主(株式シェア26%)である。
音楽業界の関係会社が多く出資を行っており、第2位株主フェイス<4295:日本コロムビアの親会社>(同10%)、第3位株主アミューズ<4301:大手芸能プロダクション>(同10%)、ソニー・ミュージックエンタテインメント(同4.4%)などが主要株主となっている。
また同社前身のJRCホールディングスが第4位株主(同8.6%)、イーライセンス創業者の三野明洋氏が第5位株主(同8.3%)である。
エイベックス中心に取引先主体の株主構成となっている。
■まとめ