(本記事は、安恒理氏の著書『マンガでわかる最強の株入門』新星出版社の中から一部を抜粋・編集しています)

「上がる?」「下がる?」株価のトレンドをつかもう

見極める
(画像=Thanakorn.P/Shutterstock.com)

●株価上昇でも下降トレンドがある

株価は小刻みに上げ下げを繰り返します。小刻みに動く株価の動きだけにとらわれると思わず高値でつかまされたり、安売りしたりする羽目になりかねません。そのためローソク足だけではつかめない株価の大きな流れ(トレンド)を把握する必要があります。

陽線が続き、株価が上昇しているときでも大きな流れのなかでは下降トレンドが続いているパターンがあったり、逆に陰線が続き、株価が下落しているときでも大きな流れのなかでは上昇トレンドが続いているパターンがあったりします。

もちろん株価の上昇が続き、大きなトレンドも上昇トレンドになっているパターンや、株価の下落が続き、大きなトレンドも下降傾向のパターンもあります。

●トレンドラインで判断する

トレンドはトレンドラインから判断します。特に株価が上下を繰り返して小さな「山」と「谷」を形成し、この山の頂点を結んだ線を「レジスタンスライン(上値抵抗線)」、谷の底を結んだ線を「サポートライン(下値支持線)」といいます。

株価がそれぞれのラインに接近すると、株価が反転する可能性が高くなります。トレンドを調べるときには、必ずこの2つのラインのどこにあるかも意識しておきましょう。

トレンドライン:相場の方向性を示すため、チャート上に描いた補助線。

レジスタンスライン:株価がある水準まで上昇すると天井となり反落に転じるライン。

サポートライン:株価がある水準まで下落すると底値となり上昇に転じるライン。

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(画像=『マンガでわかる最強の株入門』より)

トレンドが変わるタイミング

●トレンドはいつか終わる

株価がいつまでも上昇し続けることがないように、トレンドもいつかは変わります。株価の動く方向が、潮の満ち引きのように転換する事象を「トレンド転換」といいます。

トレンド転換が発生するのは、株価がトレンドラインを突き破ったときです。例えば株価が下降トレンドから上昇トレンドへの転換は、レジスタンスラインを下から上に突き破ったときに起こりやすいです。同様に上昇トレンドから下降トレンドに転換するのは、株価がサポートラインを上から下に突き破ったときに起こりやすいです。

上昇トレンドに転換したときを特に「ブレイクアップ」、下降トレンドに転換したときを「ブレイクダウン」といいます

●利益を上げる大チャンス!

トレンド転換をうまく見極めれば、利益を上げる大きなチャンスとなります。上昇トレンドに転換したとき、その相場は上値余地が大きく、利幅を大きく取ることができることもあります。

反対に、下降トレンドに転換したにも関わらず、「そろそろ反発する」などと誤解して株を買えば、大きな損失を被りかねません。

トレンド転換したあとは、レジスタンスラインがサポートラインに、逆にサポートラインがレジスタンスラインとなりがちです

上値余地:ある銘柄の価格が適正ではなく、「まだ上昇してもいい」と市場参加者が判断し、価格の上昇が見込める状態にあること。

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(画像=『マンガでわかる最強の株入門』より)

株価がぶっ飛ぶ予兆!?「保ち合い」

●株価の振幅が小さくなっていく

上昇、下降に限らず、株価は一方向に動いている期間に一定の水準でもみ合うことがあります。株価が上にも下にもいかない、いわば踊り場にあるような状況です。このような状況を「保ち合い」といいます。

例えば株価が上昇トレンドにあるとき、「そろそろ売って利益確定しよう」という投資家が増えてきます。上昇の勢いにはブレーキがかかってしまいますが、そこで少しでも株価が下がれば「押し目買いのチャンス」とばかりに買いを入れる投資家がでてきます。下値を支持することになりますが、上値には戻り待ちも増えてきます。このような状態が続くと、株価は上にも下にもいかない保ち合いになり、最終的にはレジスタンスラインとサポートラインが1点に収束していきます。

●どちらに「放れる」か

レジスタンスラインとサポートラインがやがて1点に収束しようとするあたりから株価は上か下へ「放れる」ことになります。

つまりレジスタンスラインとサポートラインで三角形を描くように株価が動き、その頂点から株価が放たれるのです。そのエネルギーは大きく、株価は激しく変動します。そして、一方向に動き始めた株価のトレン ドはしばらく継続します。

押し目買い:上昇過程にある株価が一時的に下がったところ(押し目)で買い付けること。

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(画像=『マンガでわかる最強の株入門』より)
マンガでわかる最強の株入門
安恒理(やすつね・おさむ)
昭和34年福岡県生まれ。大学卒業後、出版社勤務。月刊雑誌の編集を勤めた後、ライターとして独立。20年以上の株式投資の経験を元に経済関係の書籍からビジネス、サブカルチャー、スポーツなど幅広い分野で執筆。

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