(本記事は、安恒理氏の著書『マンガでわかる最強の株入門』新星出版社の中から一部を抜粋・編集しています)

社会の変化に関心を持とう

世界の動き
(画像=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

●消える事業、消える企業もある

株価の動きは「変化」に大きく反応します。想定していた業績より、さらにいい業績が見込めるとなれば株価は上昇し、業績が悪い方へ着地するとなれば株価は下がります。そして業績とは、社会の変化にも大きく左右されます

例えば、ここ数年でさまざまなものがアナログからデジタルへと変化しました。音楽はレコード盤からCDへと移行し、今ではネット配信もされています。そのためレコードやレコード針を製作する事業は、社会の変化とともに淘汰されていきました。

●「身近なニュース」に敏感に!

富士フイルムという優良企業があります。もともと写真フィルムの製造販売を行っていましたが、社会の変化に対応するため、現在では液晶フィルムや医療機器などの事業に転換しています。もし写真フィルム事業をそのまま主軸に据えていたら、現在のような好業績は維持できなかったでしょう。

このように社会の変化は企業の業績や業態に大きな影響を与えるので、株取引を行う際には見逃さないことが重要です。

その変化はテレビやネットのニュースで得るほか、身近な話題や自身の実感として感じることができます

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(画像=『マンガでわかる最強の株入門』より)

コンビニにも「儲け」の情報はある

●ミクロ視点とマクロ視点

社会の変化はミクロとマクロの視点で捉える必要があります。前者は企業の業績に影響を与える小さな変化、後者は企業そのものの形態にも影響を与えかねない社会の変化です。

例えばコンビニで売れ筋の商品は何か、世間でどんな映画がヒットしているか、といった情報はミクロの視点です。これに対してマクロの視点は、前項で紹介した「アナログからデジタルへの移行」というような大きな変化を指します。

●世の中がどうなるか想像しよう

IoTや人工知能が発展してきた現代。関連銘柄の株はすでに上昇過程にあります。ほかにも環境問題への意識向上から、燃料電池の開発などが盛んな自動車業界では、蓄電池の関連企業が注目されています。どんな株を購入するか悩んだときは、世の中の傾向を考えてみましょう

今注目したい世の中の傾向
新興国の台頭により、世界中で環境対策の強化が叫ばれる今。高度経済成長時代に公害対策の先駆者となった日本の技術力は、世界で注目されています。また、「東京オリンピック」や「脱原発」などの動向も見逃せません。

IoT:Internet of Things(モノのインターネット)の略。IT 関連機器以外にもインターネットを接続することで、離れた場所からモノの状態などを知ることができるようになる。

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(画像=『マンガでわかる最強の株入門』より)

世界の動きはどう株価に影響する?

●ニューヨーク市場に連動

株式市場も今やグローバリズムの時代を迎えています。各国が経済的な結びつきを強める現在、株価も外国市場の影響を避けられません。

とりわけ米国ニューヨーク市場の株式動向(NYダウ)は日本の株式市場に多大な影響を与えます。ニューヨーク市場が開いているのは日本市場が閉まっている夜間です。そのためニューヨーク市場の取引が終わったあと、東京市場の寄り付きはニューヨーク市場の動向に左右される傾向にあります。

特に海外との結びつきが強い輸出関連企業(ハイテク産業や自動車関連メーカー)はアメリカとのつながりが強く、ニューヨーク市場と連動して動きがちになります

●世界の政治も見逃せない

外国の政情も日本の株式市場に大きな影響を与えます

例えば2016年、世界の金融市場に大きな衝撃を与えたイギリスのEU離脱問題。その影響は日本にも波及し、急激な円高と大幅な日経平均の下落を引き起こしました。

2017年、アメリカ新大統領にトランプ氏が選ばれたときも大きな影響がありました。通称「トランプ相場」といわれ、日本をはじめとする世界の株式相場で株価が上昇しました。

グローバリズム:世界を1つの共同体とする考え方。自由貿易の推進や多国籍企業が国境を超えて経済活動を行うことを是とする。

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(画像=『マンガでわかる最強の株入門』より)
マンガでわかる最強の株入門
安恒理(やすつね・おさむ)
昭和34年福岡県生まれ。大学卒業後、出版社勤務。月刊雑誌の編集を勤めた後、ライターとして独立。20年以上の株式投資の経験を元に経済関係の書籍からビジネス、サブカルチャー、スポーツなど幅広い分野で執筆。

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