(本記事は、安恒理氏の著書『マンガでわかる最強の株入門』新星出版社の中から一部を抜粋・編集しています)

「出遅れ」や「ツレ安」銘柄を探せ!

リスク
(画像=Witthaya lOvE/Shutterstock.com)

●同じ業種の銘柄は同じ動きをする

ある企業の好業績が発表されて株価が急上昇するのは、発表前の市場の予想を上回った発表があったためで、市場ではサプライズとして受け止められたからです。

すると続いて市場では、株価が上がった企業と同業他社の株が買われ始めます。これは投資家が「同じように好業績が出るかもしれない」という発想が原因です。

ただし、同じ業種の株価は上昇するものの、そのタイミングは必ずしも同じではありません。同じ業種内でも比較的小さい会社や無名に近い会社の株は、他の銘柄が買われ、一巡したあとに注目されるケースがほとんどです。これを「出遅れ銘柄」といい、他の投資家よりも早く見つけられれば、利益を上げるチャンスとなります。ただし同業他社と比較して、業績が悪くないかは必ずチェックしましょう

●連れて安くなった銘柄はすぐに反発

また、ある企業の業績が悪化した、あるいは不祥事などで株価が急落すると、他の業種にまで悪い連想が働き、好業種、あるいは不祥事と無関係の株まで売られて下落することがあります。これを「ツレ安」といいます。ツレ安銘柄はすぐに買い戻される傾向にあるので、買いの狙い目となります

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(画像=『マンガでわかる最強の株入門』より)

株で勝てない人のタイプ

●勉強不足では儲けられない

株の分析や取引方法の知識を身に付けたからといって必ずしも利益を上げられるとは限りません。いくら知識を身に付けても情報収集を怠るといったスタンスだと、株で利益を得るのは難しいでしょう

ですが、しっかり勉強した上で、さらに情報収集も怠らずにやったのに、それでも思うような運用成績を上げられないといった怨嗟の声はよく聞きます。

これらの原因は何なのでしょうか?そういった投資家の投資活動を分析してみると、そのほとんどは「心のコントロール」が利かずに損失を被るケースが多いようです。

●冷静さを失わない

株式投資では多額の資金を市場に投じます。「この元金を増やそう」という欲望と、資金が目減りし「勉強不足ではないか」という恐怖心の葛藤が生じます。

欲張りすぎると、「まだまだ上がる」とばかりにホールドを続け、けっきょく利益を得られないまま株価が反落。含み損を抱えたりします。また、思惑と違った株価の動きをしても損切りできずに損失を広げたりするケースもあります。

株取引では、過度に熱くなりすぎず、おびえることなく、つねに冷静な判断を下せる心のコントロールが必要なのです。

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(画像=『マンガでわかる最強の株入門』より)

「割安株」に飛びつくな

●安すぎる株にはリスクもある

株式投資で利益を上げるためには、いかに割安な株を見つけだせるかが重要です。しかし「割安株」といえども損するリスクがあるため、割安な株であっても将来の値上がりが期待できなければ手を出してはいけません

極端なケースを挙げれば、50円額面(最低売買単位が1000株)で、100円以下の銘柄は、倒産予備軍と呼ばれています。いつ会社が潰れてしまってもおかしくない会社の株のことで、倒産すれば株が紙くず同然になる可能性があります。

安く株を買えれば下値不安は小さくなりますが、倒産してしまえば元も子もありません。

●株価指標は未来の数値で判断

割高、割安をチェックする指標はいくつもありますが、異常な数値で割安と診断された銘柄には注意しなければなりません。例えば株価収益率で「割安」の水準であるPER5倍という表示が出たとします。このPER5倍と算出された計算式の株価は現在値ですが、業績はすでに決算を終えた過去の業績で計算されています。

しかし、株価は未来を見据えて動いているので、次期の業績が10分の1であれば一気にPER50倍の割高株になってしまいます。

将来、割安になるかをしっかりチェックしてから購入しましょう

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(画像=『マンガでわかる最強の株入門』より)
マンガでわかる最強の株入門
安恒理(やすつね・おさむ)
昭和34年福岡県生まれ。大学卒業後、出版社勤務。月刊雑誌の編集を勤めた後、ライターとして独立。20年以上の株式投資の経験を元に経済関係の書籍からビジネス、サブカルチャー、スポーツなど幅広い分野で執筆。

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