早く行くなら1人で行け、遠くへ行くならみんなで行け。

チームを率いる人ならば、そんな言葉を一度は聞いたことはあるかもしれない。『億を稼ぐ人の考え方』では、チームの作り方のお手本として「華僑」を挙げている。華僑のチーム作りには、単なるチームマネジメントという意味ではない、より汎用的な人脈形成のコツが内包されており、チームで成功する秘訣が隠されているからだ。

(本記事は、中野祐治氏の著書『億を稼ぐ人の考え方』きずな出版の中から一部を抜粋・編集しています)

すべてはチーム。自分から始まるコミュニティをつくろう

コミュニティ
(画像=PIXTA)

人とのご縁を紡ぐのは誰でしょうか?

私のメンターとのご縁は〝友だちの友だちの知り合い〟です。

つまり赤の他人です。

ご縁ができたのは本当にラッキーでした。最初は細い糸のようなつながりです。そのまま何もせずに放置していたら、当然その糸はぷっつり切れてしまったでしょう。

それをなんとか食らいついて、糸を自分から紡いできました。ご縁の糸を紡ぐ努力をしました。

少しでも「これはご縁だ」と感じたら、そのサインを見逃さず、とにかく自分から形にしていくことが大事なのです。ご縁は、自分から掴んでものにするのです。

これからは、コミュニティ(つながり)を自分から選択していく時代です。

まずは自分が影響を受けると決めたメンターのコミュニティに入り、学ぶことから始めます。私もメンターが主宰する起業塾のコミュニティに入り、そこで学びまくりました。

そこで学んで吸収したら、今度は自分から始まるコミュニティをつくるのです。

「コミュニティ=チーム」とも言えます。

どんなに天才でも1馬力では限界があります。

ビジネスオーナーはチームをつくるのです。成功にはチーム力が大事なのです。

スティーブ・ジョブスはたしかに天才でしょうが、彼だけだったらアップルは立ち上がっていなかったでしょう。

スティーブ・ウォズニアックとチームを組んで仕事をしたからこそ、アップルは立ち上がったのです。iPhoneもMacBookもiTunesも、スティーブ・ジョブス個人がつくったのではなく、開発チームがつくったのです。

言うまでもありませんが、私は天才でも完全でもありません。でもチームとしては、それぞれが異なる強みを生かすことによって、完全を目指すことができます。

1人でがんばるのではなく、いいチームをつくっていくことが成功のカギなのです。

いいチームをつくるのに重要なのが、結局は「あり方(Be)」であり「人間関係(リレーションシップ)」なのです。

「人を集める」ではなく「あなたの魅力に人が集まる」を目指す

私自身、何かを始める前に、コミュニティを先につくってきてよかったと思った経験は数えきれないほどあります。

私は飲食店を経営していますが、30人ほどのスタッフ全員がとにかく明るく、前向きで、エネルギッシュで、主体的に考える力があります。「ただ仕事をこなすだけ」というスタッフは1人もいません。

飲食店では人材不足が悩みの種となりがちですが、私は採用活動をしたことがありません。私から始まるコミュニティ=チームのメンバーが、お店をやるとなったときに、「ぜひ協力します」と言ってスタッフになってくれました。いいチームに恵まれたと思います。

このことは、ほかの経営者にもいつも驚かれます。

これも、24歳からメンターにチームづくりを教わりながら、ずっとご縁を大事に育んできた賜物だと思っています。

よく、「自分のチームをつくるのって、大変じゃないんですか?」と聞かれます。

実際問題、大変です。大変だけど、それが面白いし価値があります。

人と出会い、お互いの価値観を共有し、価値観を合わせ、お互いに協力し合う仲間になっていく。お互いの夢や目標は違えど、手を取り合って、同じ方向を目指して走っていく。

自分の目指すビジョン(ビジョンが明確でなくても、目指す方向性)を掲げ、そのビジョン、方向性に共感した人が、あなたの仲間になり、チームになっていくのです。

もちろん、人間は機械ではありませんから感情があります。

ときにはぶつかることもあります。そこにたくさんのドラマが生まれ、人間的な成長がともない、あなたの魅力が増していくのです。

人は魅力に集まります。

チームづくりは、人を集めるのではありません。あなたの魅力に人が集まってくるようにするのです。

そのために、自分の目指すビジョンを掲げ、行動し、チャレンジするなかで、自分を研磨していくのです。

仲間、チームとのご縁は一生ものだと私は思っています。

どんな大企業であっても、一世風靡した会社や業界であっても、栄枯盛衰は世の常です。

すべてのものは移り変わります。

いま、あなたがいる会社が10年後もあるかどうかはわかりません。

いまある職業も、20年後はあるかどうかわかりません。

しかし、人とのつながりだけは、どちらかが切ろうと思わなければ、一生続けられるものだと、私は思っています。

あなたは、どれだけの一生もののご縁をつくっていきますか?

最強のコミュニティ「華僑」にチームを学ぶ

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(画像=(写真=Seasontime/Shutterstock.com))

コミュニティの仲間がバーを立ち上げたとします。

どうせ飲みに行くなら、まったく知らない人が経営しているバーに行くより、コミュニティの仲間のバーに私は行きます。

仲間がラーメン屋を立ち上げたとします。

どうせラーメン屋さんに行くなら、知らない人が経営しているラーメン屋さんに行くより、仲間のラーメン屋さんに私は行きます。

あなたもそうではありませんか?

親友がお店をオープンさせたら行ってあげたいと思うし、高い安い関係なく、親友や仲間ががんばっているなら応援してあげたいと思いますよね?

どうせお金を使うなら、自分のコミュニティの仲間の店で使おう。仲間のサービスを使おう。どうせお金を落とすのだったら、知り合いや仲間のビジネスに落とそう。

ビジネスオーナーの価値観は、そういったものだと思います。

仲間のビジネスに積極的にお金を落とそう

世界のお金持ちの代表と言えば、華僑が有名です。

華僑は自分の贅沢などにはお金を使わないそうです。

一方、自分の仲間に回すお金はケチらないそうです。

コミュニティの仲間に使ったお金は、「自分の財布から消えるのではなく、相手の財布に移動する」と考えているそうです。

財布から、貯金箱や銀行口座にお金を移すのと同じ感覚なのです。

つまり華僑は、自分の財布以外にもたくさんの財布を持っていて、仲間のビジネスにお金を落とすことで、仲間の財布にどんどんお金を貯めていくわけです。

「金は天下の回りもの」という言葉がありますが、華僑にとっての天下とは、大事な仲間を指すそうです。ボスを中心として固く結びついた、顔の見える仲間のネットワークが華僑の「天下」なのです。

ですから、「金は天下の回りもの」という諺も、単なる精神論ではなく、リアルな教訓となっています。

仲間にお金を回し、仲間が育てたお金がまた自分に回ってくる。

なので、華僑は必ず知り合いのビジネスにお金を落とすと決めているそうです。

華僑と言えば、チャイナタウンが有名です。

チャイナタウンには、すごく売れている店舗もあれば、閑古鳥が鳴いている店舗もあります。なのに、なぜつぶれないのか?

コミュニティ内で経済を還流させているからだそうです。

お互いにお金を回していく、そんな一生もののコミュニティをつくっていきたいですね。

億を稼ぐ人の考え方
中野祐治
株式会社YAPPY代表取締役。ほかにも複数の会社を経営する実業家。飲食店、オーガニックショップ、人材派遣事業、講演会、業務コンサルティング、ビジネストレーニング事業などを多岐にわたって展開する。大阪府大阪市生まれ。神戸大学卒業後、シャープ株式会社(SHARP)に入社。24歳で経営のメンターと運命的に出会い、そこからメンターに学び始める。26歳のときに親族の借金を肩代わりしていた両親が夜逃げ。借金取りが家に押しかけてくることも経験。その経験から、1回きりの人生を全力で生きると決める。人生において「すべての人を勝利に導く」をビジョンとして掲げ、事業の道に踏み出し、27歳で独立。そのビジョンを実現していくために、「すべての人の幸せのお手伝いをする!」を経営理念として、人々の多様化するニーズやライフスタイルの変化にいち早く応えるために、さまざまなサービスを展開している。39歳ですべての事業からの収入が年収1億円を超える。500人規模から1000人規模の講演会を毎月開催し、多くの若者からメンターと慕われる、いま注目の起業家。

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