災害大国の日本で不動産投資を始めるなら、災害リスクに気を配らなければなりません。今回は、ハザードマップを活用して、災害リスクを最小限に抑える方法を紹介します。災害に強い不動産を選んで投資することで、リスクを最小化し、利益を最大化しましょう。

ハザードマップを不動産投資で活用する方法

ハザードマップ
(画像=PIXTA)

2020年7月、熊本県を中心に広範囲にわたって大雨による水害が発生しました。日本は、地震や大雨、津波など自然災害の多い国です。不動産投資をするなら、災害リスクに細心の注意を払わなければなりません。

災害リスクへの対応策として積極的に活用したいのが、ハザードマップです。

ハザードマップとは、被災想定区域や避難場所、避難経路など防災に関する情報が記載された地図です。自然災害の被害を減らすことを目的として、国土交通省や地方自治体が公表しています。防災マップ、被害予測図、被害想定図といった名称で呼ばれることもあります。

ハザードマップは、火山、地震、津波、洪水などさまざまな自然災害に対応しています。

特に水害は、どんな地域でも起こる可能性があるため、しっかりチェックしましょう。浸水した際の水の深さまで確認し、購入予定の部屋が何階に位置するかを踏まえて判断するという考え方もあります。

地震については、新耐震基準の建物であれば、一定の安全性は担保されます。東日本大震災では、東北・関東のマンションの建物本体の被害について、「被害なし」が81.23%、「軽微」が16.13%という結果でした。築年数をチェックすることで、地震のリスクはある程度回避できると想定できそうです。

物件の購入前にハザードマップをチェックすべき理由

不動産投資を始めようと思った時、駅近の人気エリアなのに、割安な物件に出会うことがあります。そんな時は、念のためハザードマップを確認しましょう。過去に災害が起きたことで、買い手が見つからず、物件の評価額が下がっているという可能性があります。

万一そういった物件を購入してしまうと、災害リスク以外にも、売り手が見つかりにくいというリスクを抱えることになります。不動産を手放そうと思った時、売り手が見つからないと、そのままローンの返済を続けなければなりません。

売却のしやすさという観点からも、ハザードマップをしっかり確認することが大切です。

ハザードマップに加えて保険の活用を

災害リスクに備える方法は、物件選びだけではありません。保険に加入することで、万一の事態になった時の金銭的な補償を確保しておくことも必要です。

加入するのは、主に火災保険と地震保険です。水害については、火災保険で補償を受けることができる場合も多いです。ただし、補償範囲はプランによって違うため、加入時には補償内容をしっかり確認しましょう。

地震は火災保険の補償対象外なので、別途加入する必要があります。火災保険に加入せず、地震保険にのみ加入することは認められていません。なお、噴火や津波、地震による火災などは、地震保険の補償対象です。

きちんと物件選びを行い、しかるべき保険に加入すれば、災害リスクを過度に恐れる必要はありません。

不動産投資を始めるなら、忘れずにハザードマップをチェックしましょう。自分だけで判断すると見落としが発生するケースもあるため、信頼できる不動産会社の担当者と一緒にチェックすると安心です。そのうえで、火災保険・地震保険に加入し、予期できない事態に備えましょう。

(提供:マンション経営ラウンジ

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