「お茶代は会社負担、オランダのテレワーク事情」そんな見出しがロイター通信のヘッドラインに並んだのは10月7日のことだった。新型コロナ危機でテレワークが世界的な広がりを見せる中、オランダの企業は従業員にコーヒーやお茶、トイレットペーパー、ガス、電気、水道料金、さらにはデスクや椅子の減価償却費まで「仕事(テレワーク)に必須なすべての経費を支給している」と報じた。その額は1営業日当たり平均2.40ユーロ(298円80銭)である。

欧州ではテレワークは一時的な措置ではなく、ニュー・ノーマル(新常態)として広く浸透している。テレワークの考え方は国や地域によって様々であろうが、少なくともオランダ社会では「自宅で仕事をする際のお茶代は会社が負担するのは当然」ということのようだ。

そして、もう一つ、テレワークを新たなビジネス・チャンスと捉える動きも広がっている。ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた「ワーケーション(Workation)」だ。テレワークの新潮流には、大手ラグジュアリーホテルも参入、まるで富裕層のような気分を味わえるプランもある。世界的な広がりを見せる「ワーケーション・ビジネス」の最前線をお届けしよう。

リラックスできる環境で生産性の高い仕事を

ワーケーション,事例
(画像=IYO / pixta, ZUU online)

いつものありきたりな日常を離れ、観光地・リゾート地などリラックスできる環境で生産性(創造性)の高い仕事をする。それは、ワーケーションならではの魅力の一つと言えるだろう。

ワーケーションは新型コロナ禍で大打撃を受けた観光業の立て直し策としても注目されており、その土地ならではの個性を活かしたプランを提供する宿泊施設も急増している。また、ロックダウン等で観光客が急減した都市部では、Airbnb(民泊)で短期間から気軽に利用できるレンタルオフィスや、コワーキングスペースを提供するレストランやカフェも増えている。

しかし、最近の動きで注目されるのは大手ラグジュアリーホテルの参入だ。これからの時代、ラグジュアリーな「ワーケーション・プラン」こそが観光業の成長戦略となるのかもしれない。次のパートで具体的に見てみよう。

ワーケーション、富裕層のような気分を味わえるプランも!