2020年10月21日11時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
このところの米国株は米経済対策案の行方に翻弄されて乱高下しているが、昨日20日(火)のNY市場では、米経済対策案の合意の可能性が再び高まったとのことで反発。S&Pは0.5%上昇。合意の可能性が再び高まったのはペロシ議長のコメントがきっかけ。ブルームバーグによれば、「ペロシ氏はムニューシン財務長官との再協議後、週末までの合意が可能と考えているかとの記者団の質問に対し、『そう望んでいる』と語った」とのこと。個人的にはペロシ議長が追加景気対策法案で妥協することは考えにくいと想定しているため、合意の可能性が残っているのは共和党がさらに妥協することのみであることは変わらず。その共和党が妥協する可能性が報道されているので、米国株は反発。ただ、合意しなければ、また反落するため、システム売買以外はこの乱高下に追随しないほうが無難といったところ。
現在の為替相場の戦略やスタンス
為替に関しては、ユーロは下記のソーシャルボンドの報道もポジティブに作用し、久しぶりに1.18ドル台を回復。
----EU初のソーシャルボンドに29兆円の注文----
高成長市場で旺盛な需要欧州連合(EU)が初めて発行するソーシャルボンドに対し、2330億ユーロ(約29兆円)余りの注文が集まった。事情に詳しい関係者が明らかにした。ソーシャルボンドは社会的な課題解決に資するプロジェクト・事業のための資金調達手段。事情に詳しい関係者によると、EUは銀行団を介して10年債を100億ユーロ、20年債を70億ユーロ相当発行する見通し。10年債だけで1450億ユーロの注文があり、同年限の債券としては域内で過去最大の需要(出所:ブルームバーグ)。
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9月1日の1.2011ドルから始まったユーロ/米ドルの調整がそろそろ終わり、再び上値を試しつつあると想定している。ユーロ/米ドルの上昇スピードは緩慢であるも、戦略的には上昇余地が拡大しているユーロ/米ドルのロング継続。
西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。