欧州は新型コロナウイルス感染「第2波」の真っ只中である。オランダも例外ではなく、13日にはルッテ首相が飲食店の閉店のほか、娯楽イベントの大半と18歳以上のチームスポーツを禁止する等の部分的ロックダウン(都市封鎖)を発表した。ちなみに、筆者の次女が通う小学校でも先生やスタッフの感染が相次いでいる。今はただ、手洗いや手指消毒、マスク、ソーシャルディスタンスに努めるだけだ。

ところで、新型コロナ危機は飲食業や航空業界、ホテル業界など各方面に深刻な打撃をもたらしている。そうした中、新たな資金調達法として注目されるのが「ロイヤルティ・ファイナンス(Loyalty Finance)」だ。ロイヤルティ・ファイナンスとは航空会社のマイレージやホテルのポイントなどを、株やコモディティのように資金調達の担保として利用できるというものだ。

後段で詳述する通り、ロイヤルティ・プログラム市場は将来的に「2000億ドル(約21兆689億円)」規模に達するとの見立てもある。果たして、ロイヤルティ・ファイナンスは新型コロナ禍で苦しむ企業の「救世主」となるのだろうか? 詳しく見てみよう。

ロイヤルティ・プログラム、市場規模2000億ドルへ?

資金調達,コロナ
(画像= AthitatShinagowin / pixta, ZUU online)

ロイヤルティ・プログラムとは「顧客にインセンティブを支払う」ことでリピート率や顧客満足度の向上、ブランド力の強化を狙ったマーケティング戦略だ。身近な例では、商品・サービスの購入やアンケート参加などで得られるポイント制度等がある。顧客は貯まったポイントを商品に交換したり、値引き等に利用できる。

読者の中には「たかがポイント」と軽視する人もいるかも知れない。だが、導入企業はeコマースから小売店、飲食店、クレジットカード会社、航空会社のマイレージまで広範囲にわたる。世界全域に配信ネットワークを有するビジネスワイヤは、ロイヤルティ・プログラム市場は2019~2024年にかけて年間13.0%のペースで成長し、2000億ドル規模に達するとの見通しを示している。

そして、このロイヤルティ・プログラムを活用した資金調達法として注目されるのが「ロイヤルティ・ファイナンス」なのである。

JPモルガンの挑戦、ロイヤルティ経済の旗手となるか?