「家族との思い出のたくさん詰まった『夢のマイホーム』を売却することなど考えられない」「だって自分の家だから、ずっと住むから」そんな声を良く聞きます。筆者のFP事務所には、家計に関する様々な相談が寄せられます。ときには相談者の「資産」についてヒアリングすることもあるのですが、マイホーム(不動産)を「資産」と認識している人は意外と少ないように感じます。

ローンの支払いや子どもたちの教育資金などで家計は火の車、「資産」と呼べるようなものもない、老後資金を蓄える余裕もない……そんな悩みを抱える人の中には、マイホームが「資産」であることに気づいていないケースも珍しくありません。結果、そのマイホームが「資産」として活用できないまま朽ち果ててしまう可能性さえあります。

筆者の知人には不動産に詳しいFPも何人かいるのですが、彼らからは「日本では不動産を活かすという発想がまだまだ少ない」との意見も聞かれます。そこで、今回は不動産を「資産」として活用する考え方についてお届けします。

マイホームを「資産」として活用する

不動産,活用
(画像=FUTO / pixta, ZUU online)

たとえば、夫婦と子ども3人の5人家族で郊外の一戸建て(4LDK)に住んでいたとします。子どもたちが独立した後は、夫婦2人暮らしが想定されるのですが、そうなると4LDKは広すぎます。

この場合は、長い老後生活を考えて都心に住み替えるというのも一つの考え方です。条件が良ければ、一戸建てをそれなりの価格で売却することも可能ですし、その売却資金で2人暮らしにちょうど良いマンションを購入することもできます。また、旅行者等に宿泊サービスを提供する「民泊」として活用し、収入を得るという考え方もあるでしょう。

もちろん、マイホームを売却せずに賃貸で運用する方法もあります。自分たちは都心のマンションで暮らしながら、家賃収入を得るという考え方です。さらに「終の棲家」ということであれば、介護設備の整った高齢者住宅を検討するのも一つの考え方です。

マイホームは、必ずしも一生住み続けなければならないものではありません。ライフステージにあわせて住み替えを検討したり、ときには「資産」として活用することを視野に入れておくことも大切なのです。

こうすれば定年退職後の生活も明るくなる?