2020年11月10日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日9日(月)、TV番組出演の際、今週の米ドル/円予想レンジを102.25~104.30円と言ったが、その日のうちに105.60円までショートカバーで爆上げされてしまった。材料的にはファイザー製薬の株の爆上げで下降三角形の底辺である104.00円がポイントだった。ここが割れて下攻めしたものの、反発して104.00円を超えてきたため、チャート的にはショートを一旦手仕舞わなければならない104.50円手前、105.00円手前、105.50円手前で、それぞれ戻り売りして捕まり、損切りをして上がったという流れだ。105円のミドル超えまで上げられてしまうと103.00円を狙いに行くというのはもう難しいため、今週は落ち着きどころを探す展開となりそうだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

週末に想定し、昨日9日(月)にTV番組で述べた米ドル/円予想レンジは、上限を軽く飛ばされてしまったため、今週の米ドル/円予想レンジを103.00~106.00円で仕切り直したい。このレンジ内で揉み合いを予想。中でもコアレンジを104.00~105.50円とし、下は104.00円を割らないか、上は106円を超えないかを再確認する週となりそうだ。バイデン氏の米大統領就任でドル売りという流れも、もう終わってしまったようだ。怖いのは、ファイザー製薬のワクチンがコロナに対し、90%の有効性としているものの、まだ治験段階のため、梯子を外される可能性もあることだ。株がここまで買い上がっているため、ネガティブな報道が出れば混乱するだろう。また今回の為替の上昇は昨日9日(月)の株高と損切りによってもたらされたものであるため、次に株のマーケットが崩れた場合、当然のことながら米ドル/円も崩されるため、現在の為替マーケットの騰落は、外部要因が大きい。為替単体の動きではないため、あまり大きくポジションを傾けないほうが賢明だろう。また、最後の最後にトランプ米大統領がどういう展開を見せるのかにも、注視しておきたい。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。