11月11日、カカクコム <2371> の株価が上場来高値を更新した。売上の主力であるグルメサイト「食べログ」の底打ち観測に加え、政府が支援する「GoTo イート」キャンペーンを後ろ盾とした需要増加期待が追い風となった。株式市場ではカカクコムに限らず、新型コロナウイルスのワクチン実用化や「GoTo キャンペーン」で、巣ごもり生活からのリベンジ消費を期待するムードが広がっているようだ。

ただ、一方で14~15日にかけて「食べログ」をはじめとする大手グルメサイトで「GoTo イート」のポイントが付与される飲食店のオンライン予約が突然終了したことに加え、新型コロナ「第3波」への警戒もくすぶるなど、先行き不透明感は未だ払拭されてはいない。

今回は「GoTo イート」の現状とカカクコムを中心としたグルメサイトの最新動向を見てみよう。

カカクコム 、株価は7カ月で2倍に跳ね上がる

カカクコム,株価
(画像=zon / pixta, ZUU online)

11月5日、カカクコムは2021年3月期第2四半期累計(4〜9月)決算を発表した。売上は前年同期比26.4%減の217億円、本業の利益を示す営業利益は同49.3%減の68億円と大幅な減収減益だった。新型コロナ禍の巣ごもりの影響による「食べログ」の収益悪化が大きく響いた。カカクコムは環境が不透明だとして、通期の業績予想は開示していない。

ただ、四半期ベースで見ると、第1四半期(4〜6月)の売上が33.2%減、営業利益65.7%減であったのに対し、第2四半期(7〜9月)は売上20.0%減、営業利益34.4%減といずれも減少幅が大きく縮小している。株式市場では売上の主力であるグルメサイト「食べログ」の底打ち観測が広がり、決算発表当日の終値は3.7%高の2925円を記録、その後も投資人気は続き、11月11日には上場来の高値となる3450円を付ける場面も見られた。4月3日の安値1691円からわずか7カ月ほどで2倍に跳ね上がった計算である。

株式市場では新型コロナウイルスのワクチン実用化や「GoTo キャンペーン」への期待が高まっており、巣ごもり生活からのリベンジ消費を期待するムードが広がったようだ。

「GoTo イート」予約が延べ5000万人超え

政府は新型コロナ危機で打撃を受けている観光、飲食業界を支援するための「GoTo キャンペーン」を展開している。「GoTo トラベル」では旅行代金の最大半額相当の補助、地域共通クーポン券等の付与のほか、「GoTo イート」では登録飲食店で使えるプレミアム付き食事券(購入額の25%分を上乗せ)の販売や予約サイトを通じたポイント還元などを実施していた。