本記事は、村松勝・吉田隆太氏の著書『年商10億円最速達成の3大ポイント』(セルバ出版) の中から一部を抜粋・編集しています

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(画像=PIXTA)

あなたの事業を加速させる、7つの「切り口」

年商10億円最速達成のポイントとして、年商10億円を超えて躍進している実際の会社の事例をもとに、ビジネスの7つの「切り口」を紹介します。

その7つとは、【①新セグメント】【②ギフト大転換】【③川上シフト】【④スーパー知財】【⑤連携タッグ】【⑥単品突破】【⑦大型トレンド】です。

世の中には、この7つの「切り口」以外にも、もっと多くの「切り口」がありますが、当社とご縁があった、優れた経営をしている会社の事例を中心に解説していきます。いずれも実際に年商10億円を超える売上を生み出し、会社を大きく成長させた事例です。

具体的な事例に入る前に、まずは「7つの切り口」について、概略を説明します。

【①新セグメント】

「切り口」の1つ目は、「新セグメント」です。ここで言う「セグメント」とは、お客様の「層」を意味します。「新セグメント」は、市場を俯瞰して、売上拡大につながる新しいお客様の「層」を見出し、あなたの事業を加速させるためのビジネスの「切り口」です。

「新セグメント」を発掘して、カテゴリーキラーを提供していくことで、創業3年で、年商10億円の売上を達成した事例や、古くからある商品ジャンルで、カテゴリーキラーを生み出して大きな売上を上げた事例などをお伝えします。

【②ギフト大転換】

「ギフト大転換」は、自社の強みを活かし、今扱っている商品をギフト市場に投入していき、大きな売上をつくっていくという「切り口」です。

ここでは、事業を拡大していくにあたって、ギフト(贈り物)の市場を開拓していく視点を解説します。

実際に個人商店から、「ギフト大転換」を決意し、カテゴリーキラーを生み出して、年商10億円を超える売上を生み出した会社を紹介します。

【③川上シフト】

商品が市場に流通するときに、生産に近いほうを「川上」、卸売業のように中間に位置する会社を「川中」、小売業など消費者に近いところに位置する会社を「川下」と言います。

「川上シフト」は、自社の位置づけを川上へシフトさせて、大きな売上を上げるというビジネスの「切り口」です。

川上へのシフトに挑戦して、次々とカテゴリーキラーを生み出して年商20億円の規模に成長した会社を紹介します。

【④スーパー知財】

知財とは、知的財産権のことです。知的財産権には、著作物や工業所有権(特許、実用新案、商標権、意匠権など)があります。

「スーパー知財」は、この知財をうまく活用することで、大きな売上を狙っていくビジネスの「切り口」です。

ここでは、特許を活用しカテゴリーキラーを生み出して、年商20億円の市場を築いた会社や、自社商品づくりに挑戦して躍進している会社の事例などを紹介しま す。

【⑤連携タッグ】

「連携タッグ」は、他社と連携して、魅力的な市場をつくり出すというビジネスの「切り口」です。

自社で特許のような難しい知財を持てなくても、独占に近い形で経営をすることが可能です。

ここでは、販路に強みを持つ会社が、技術力が高い会社と組んでカテゴリーキラーを生み出し、年商40億円を超える市場を生み出した事例を紹介します。

【⑥単品突破】

単品とは、1つの商品という意味です。

「単品突破」は、徹底的に1つの商品を磨き上げて、自社独自の市場を生み出していくというビジネスの「切り口」です。

これまでにない新しい発想でカテゴリーキラーを生み出して、年商100億円まで成長した会社の事例や、最速で年商15億円の独自市場を生み出した事例を紹介します。

【⑦大型トレンド】

最後に、これから先の大きなトレンドを読み、巨大市場をつくり出す「大型トレンド」という「切り口」を紹介します。

実際にカテゴリーキラーを大成功させて、ぐんぐん売上を伸ばし、年商1000億円を超える市場を生み出した会社の事例を紹介します。

どのビジネスの「切り口」も、年商10億円を超える売上を生み出していく可能性を持っています。あなたの会社の次の一手として見たときに、応用可能な「切り口」がないか、考えながら読み進めてください。

創業3年で10億円企業をつくる! 【①新セグメント】

どの競合企業もまだあまり手を出していないセグメント(お客様の層)であれば、非常に早く、自社独自の市場を築ける可能性があります。

みなさんの身近にも、この「新セグメント」で大きな売上を上げている例がたくさんあります。

例えば、ハーゲンダッツは、アイスクリーム市場で一般的であった子ども向けではなく、「高品質なお菓子を求める大人」という「新セグメント」で成功をしました。また、眼鏡の市場では、JINSが、目が悪い人ではなく「目が正常な人」という「新セグメント」に向けて、PCのブルーライトをカットする眼鏡を販売して、大きな売上を上げています。 

このように「新セグメント」で成功している会社はまだまだたくさんありますが、スマホ社会になり、ネット環境がぐっと身近になった現代では、「新セグメント」に対してインターネットを使い、うまく商品・サービスを提供すると、短期間で年商10億円を超える売上を築くことも可能です。

実際に、当社には、ネット通販で、「新セグメント」に喜ばれる商品を提供して、短期間で億単位の売上を築いた会社が相談に来られることがよくあります。   ある健康関連商品を扱っていた会社は、「新セグメント」に向けてカテゴリーキラーを生み出して、創業3年で年商10億円を超える売上までに成長しました。社員数は、わずか数名です

商品の製造は、外部のメーカーに委託していますから、非常に身軽な経営をしています。同社のように外部に製造を委託している会社は、売れる商品として、いかにカテゴリーキラーをつくるか、そして、その商品をいかに広めていけるかが成功のカギを握っています。

この健康関連商品を扱っていた会社も、商品を企画する段階で、これまであまり他社が手を付けていなかった新しいセグメントに注目して、カテゴリーキラーをつくりました。そのセグメントとは、「子ども」です。

その業界では、まだまだ、「子ども」の市場は小さいですが、市場が小さいことが逆に中小企業にとってメリットになることがあります。それは、市場規模が小さすぎて、大手企業が入り込めないということです。

ネット通販の場合は、広告を使って、ニーズを掘り起こしていく販売努力は必須です。そして、広告テストを繰り返して、投資対効果が出てくるようになると、ものすごい勢いで売上が上がります。うまくいくと年商は、2億円、3億円とぐんぐん伸びていきます。

ただし、ネット通販で、年商5億円、10億円と伸び続けているようなときは、注意が必要です。競合の参入が増えてくる時期に差しかかっているということで、一番注意しなければならないタイミングです。

ネット通販で広告を繰り返していると、その広告は競合企業に丸見えです。儲かるとわかった競合企業がどんどん参入してきます。大手企業の参入はなくても、まずは中小企業の参入が激化していきます。

さらに、それなりの市場になってくると、大手企業も参入してきますので注意が必要です。

ですから、売上が上がっているうちに、次の新しいカテゴリーキラーを生み出していく必要があります。

またネット通販でなくても、あらゆる業界で「新セグメント」を考えていくことは、有効です。

ある生活家電メーカーは、海外生産でコストを抑えた商品を展開して、それなりの市場を築いていました。しかし、いつしか、その市場にも競合が増えてしまい、価格競争は激化して、思うように売れなくなってしまいました。

そこで、当社の指導を受けて「新セグメント」の発掘を行いました。

古くからある、なじみの生活家電は、業界の常識にとらわれた発想の商品ばかりでした。このように、古くからあるジャンルの商品やサービスは、見方を変えれば、「新セグメント」のチャンスが埋もれていることがよくあります。

業界の常識や、見方を変えるということは、その業界にどっぷりつかっている人からすれば、とても難しいことでしょう。

しかし、「新セグメント」を発掘していくことは、既存のビジネスモデルを活かした取組みができるという経営的に大きなメリットがあります。新規事業のように、大きな投資や時間を要せずに成功させる可能性を秘めています。

この生活家電メーカーも、既存の商品や販路を十分に活かして、「新セグメント」のカテゴリーキラーを生み出しました。

その後は、勢いよく売れていき、ヒット商品として、日経MJの第一面で紹介されたり、著名なテレビ番組、雑誌等に多数取り上げられました。

結果として、10万台を超える販売で大きな売上を上げ、同業界で脚光を浴びるカテゴリーキラーになりました。

年商10億円最速達成の3大ポイント
村松勝
株式会社ミスターマーケティング代表取締役代表コンサルタント。電通グループ企業にて、大手企業各社のダイレクトマーケティングを経験後、2007年に株式会社ミスターマーケティングを創業
吉田隆太
株式会社ミスターマーケティング、取締役代表コンサルタント。株式会社ミスミにて新規事業開発、新商品開発などのマーケティングを手掛ける。退職後、株式会社ミスターマーケティングに創業メンバーとして参画。サンダーバードアメリカ国際経営大学院経営学修士(MBA)、経済産業省中小企業診断士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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