2020年12月10日11時時点に神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

足元の米ドル/円相場は104円台前半で推移している。昨日9日(水)の海外市場では104.41円前後まで上昇する場面もあったが、本日10日(木)の欧州中銀(ECB)理事会を前にしたポ ジション調整的なドル買い戻しの動きによるもので、米ドル/円上昇の原動力としてはやや力不足だった。本日10日(木)朝もポンド安主導のドル高で底堅く推移しているが、104円台前半の壁を抜けきれていない。欧州通貨が主役の相場展開では、ドルと円はいずれも脇役のため、米ドル/円の動きは限られてしまうようだ。本日10日(木)も市場の関心はECBの金融政策発表に集まっており、ユーロが主役の相場展開となる公算が大きい。米ドル/円は104円台前半を中心とする小動きが続きそうだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

ユーロについては、ECBの金融政策発表後に乱高下する可能性があるため注意が必要だろう。市場は追加緩和を確実視しており、パンデミック緊急プログラム(PEPP)による資産買い入れを5000億ユーロ程度増額するとともに、買い入れ期間を半年あるいは1年延長する事などを見込んでいる。また、ラガルドECB総裁がデフレ懸念を強めかねないユーロ高を強くけん制するとの観測も根強い。緩和の規模や期間、総裁発言の内容などを巡り不確定要素が多い上に、織り込み済みの追加緩和に対する「材料出尽くし」への警戒感もくすぶっている。市場の注目度が極めて高いイベントだけに、参加者の様々な思惑がぶつかり合う格好で売買が交錯すると見られ、ユーロは一筋縄では行かない値動きとなる公算が大きい。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。