新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中の人々に経済的ダメージを与えることとなった。オランダも例外ではなく、筆者の周りでもコロナの影響で収入が極端に減ってしまった友人・知人は多い。収入減だけではない。最近は、なぜか日本米などの店頭価格が値上がりしており、家計を圧迫している。先週からフルロックダウン(都市封鎖)に突入したこともあり、友人からは「この先どうなるのか…」といった不安の声も聞かれる。とはいえ、そんな状況でも我が家は親子3人、ウサギ1匹、何とか温かいご飯を食べていくことができている。日々仕事ができる有難さをあらためて感じずにはいられない。

さて、注目されるのは、そうした厳しい環境下でも「ピンチをチャンスに変える」賢者が存在することだ。CNBCは10月7日、「世界のビリオネアの資産がコロナ禍にありながら、史上最高額の10.2兆ドル(約1060兆9222億円)に急増した」と報じている。また、純資産3000万ドル以上の「超富裕層」の一部でもコロナ禍の資産増加が確認されているほか、消費行動にも大きな変化が見られるとの報告もある。

今回は「超富裕層(UHNW:Ultra High Net Worth)」の最新事情を紹介する。

北米の超富裕層、全世界の36%を占める

超富裕層,資産運用
(画像=sidelniikov / pixta, ZUU online)

まずは近年の超富裕層の資産動向を振り返ってみよう。米国の富裕層調査会社Wealth-Xのレポートによると、2019年の世界の超富裕層は前年に比べ9.5%増の29万0720人、総資産は同9.7%増の35.4兆ドル(約3682兆354億円)にそれぞれ拡大した。とりわけ北米地域の勢いが目覚ましく、超富裕層人口は14.5%増の10万5080人、総資産14.4%増の12.4兆ドル(約1289兆7525億円)と急増、全世界の超富裕層の実に36%を占めている。次いで中国本土、日本、香港、インドといったアジア圏も超富裕層人口が10.2%増の8万3310人、総資産10%増の10.4兆ドル(約1081兆7272億円)と拡大、2018年の第3位から2位にランクアップしている。

上記の通り、 2019年は北米やアジア圏を中心に超富裕層の資産は順調に増えていたわけであるが、そこに新型コロナ危機という激震が走った。2020年前半は多数の国や都市でロックダウン(都市封鎖)が相次いだこともあって経済活動にブレーキがかかり、株式市場も大混乱に陥ったことは記憶に新しい。その結果、世界の超富裕層の総資産は2020年3月末時点で、昨年末に比べ28%も減少していた。

経済活動再開で急回復、米CARES法もサポート要因?