2020年12月25日8時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

今年2020年は新型コロナウイルスの影響で春先に米国株が大暴落し、米ドル/円も一気に101.19円まで急落。その後新型コロナウイルスの影響で疲弊した経済の立て直しのために主要国が行なった大規模な金融緩和や財政出動などから米国株の主要インデックスが大きく持ち直すというのはマーケットのコンセンサスだったが、数カ月で史上最高値を次々と更新していくと考えていたトレーダーは多くなかったはずだ。そして新型コロナウイルスがバリュー株の売りを誘引し、グロース株を急激に押し上げたことも2020年の特色のひとつ。個別銘柄で特に衝撃的な値幅を演出したのがTesla株。3月に70.10ドルまで急落したTesla株だが、12月18日に695ドルまで暴騰している。9カ月で9.9倍、約10倍の大暴騰を演じている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

ポストコロナである2020年の為替相場を読みづらくしいるのが新型コロナ変異種懸念だ。今月に入り英国で変異種が確認された。その感染力はさらに強い恐れもあるとのことで、警戒感が高まっている。このように変異種の発見により、いきなり多くの国から入国制限をされるような事が起きると、その国の経済成長が読みにくくなるのは当然。こうした変異種懸念がある中、2021年の注目通貨ペアをピックアップするのは、マーケット参加者にとって困難を極めている。このように相場予測が難しい環境下、マーケット参加者の相場予測が同じなのが米ドル/円。殆どの参加者の2021年の相場展望は95~105円がコアで、ほぼ95~110円に収まっている。仮に実際にそういう展開になるのであれば、米ドル/円は100~105円のコアレンジが長いということになり、来年もあまり収益性の高い通貨ペアではないということになる。一方、2021年のマーケットのキーワードが新型コロナ変異種懸念があげられるのであれば、本日25日(金)時点で、感染者数が極端に少ない、中国、台湾、そして、頻繁に取り上げているオセアニアが優位となる。2021年は新規感染者がほぼゼロで、新型コロナ変異種の可能性が低いオセアニアの豪ドルがやはり注目通貨になるのではないだろうか。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。