2021年1月5日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)
現在の為替相場の傾向や相場観
現状の米ドル/円は、迷路からなかなか抜け出せず、出口がみつからないといった状況だ。現在のドルの弱さというのは、低金利が続いてマーケットに対する資金供給がジャブジャブで、コロナで資金が必要なためいくらでもドルを刷っている(発行している)ためだ。これだけ流動性が供給していれば基本的に、ドルはどうしても上がりづらくなってしまう。
現在の為替相場の戦略やスタンス
今週の米ドル/円予想レンジは、102.20~104.20円。103円後半から104円がすごく重たい状況だ。本日5日(火)なども、多くの人は103.35~103.45円、その辺りから上のミドルにかけては売りたいと思って待っているが、なかなか上がらない。しかし102円台を突っ込んで売るとどうも捕まりがちでそれも怖い。そのため方向的には戻り売りからしっかりと入りたいと思っており、103.85~104.20円は売りたいゾーン。そして、102円のミドルを割って落ちてきた場合も102円台前半では確実に一度利食いをしておきたい。102円台は正直まだ売りたくないと思っている。というのは、どこまで落ちるかはっきりわからないし、もし102円台を買ってくるとしたら、それは完全に本邦輸入企業や機関投資家といった実需絡みだと思うので、下を投げるような人は102円台では買わないのではないかと思うからだ。そう考えると実需の買い切れ玉に対して投機筋のショートが溜まるため、落ち切らなかったらショートカバーをしてしまう。よって個人的には買いから入るつもりはないが、流れを見ながらショートに傾いているな、売り上がっているな、と思ったら買って行くかもしれない。しかしそれまでは基本的に売りから入りたい。ただし臨機応変に対応するため、常に変化するポジションの傾きには注視していきたい。
小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。
羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
「羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。