2021年1月13日9時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

トランプ米大統領は先週6日(水)の議事堂乱入前に自身が演説した内容について、「不適切なところは一切ない」と断言。加えて、大統領罷免に関する憲法修正25条について、「自分には全く脅威ではないが、バイデン氏とその政権はこれに呪われるかも知れない」とコメント。下院は本日13日(水)にトランプ大統領の弾劾決議案を採決する予定を変更しておらず、米国の政局は混乱したまま。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週に入ってドル安の流れに変化が起きている。まず米10年債利回りが節目の1.00%を明確に超えてきた事が要因。もうひとつは年初から急騰を演じ、一時440万円近くまで暴騰していたビットコインがいきなり350万円を割り込んで急落した事。こうした流れからモルガン・スタンレーのようにドル安予想を撤回するストラテジストが増えてきた。

------------モルガンS、ドル安予想を撤回-米金利のレジームシフトで------------
モルガン・スタンレーのストラテジストらは、大幅な米財政拡大観測などを受けた米金利のレジームシフトを背景に、短期的なドル下落予想を撤回した。マクロ戦略のグローバル責任者、マシュー・ホーンバック氏は一昨日11日(月)、電話取材に対し「財政政策見通し、金融政策見通し、インフレ高進見通しを巡る不確実性を踏まえると、ここからドル下落に備えるポジションを取ることはもはや魅力的ではない」と述べた。モルガン・スタンレーはユーロとカナダドルに対する米ドルのショートポジションを解消した。代わって、英ポンドをノルウェークローネに対してショートにすることや、スイスフランのカナダドルに対するショートに転じることを勧めた。ホーンバック氏やジェームズ・ロード氏らストラテジストは9日(土)付のリポートで、「高まる米財政出動の可能性」などを背景に、「ドルについての見方を中立に変更する」と明らかにした。「強気に転じる時期についてはシグナルを探している」という。今回のドル予想転換の背景には二つの重要な要因がある。ストラテジストによれば、先週の米ジョージア州上院選の決選投票で民主党が勝利したことは、今四半期中にも最大1兆ドル(約104兆円)の追加経済対策が実現する可能性があることを示唆する。さらに、米金融当局が政策正常化について6月にも議論を開始する可能性がある。「これら二つの要因には、米国の低い利回りという、ドルに対して広がったマイナスの想定を払拭する力がある」とモルガン・スタンレーは指摘。「米国の新たな財政政策に焦点が移る中、米実質利回りとドルが共に底入れの過程にあるとわれわれは考えている」と分析した。(出所:ブルームバーグ)
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今後、モルガン・スタンレーのようにドルに対する見方を変える参加者が増えるかどうかがポイント。戦略的にはユーロ/米ドルの戻り売りで臨みたい。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。