『東京五輪トップ、会議への女性の参加制限を示唆』そんな見出しがニューヨーク・タイムズ(電子版)のヘッドラインに並んだのは2月3日のことだった。東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(当時)の女性蔑視と見られる発言はロイター通信やワシントン・ポスト等でも取り上げられ、あっという間に世界に広がった。このニュースは筆者の住むオランダでも報じられ、友人・知人からは「日本人がそんなことを言うなんて……」と困惑する声が聞かれたほどだ。
もともと筆者の友人・知人は日本人に対してポジティブなイメージを抱いていた人が多い。だが、日本人といっても「現実」には様々な人がいる。すべての日本人が必ずしも真面目で誠実で、思慮深いとは限らない。今回の一連の騒動は、日本人に対するステレオタイプなイメージや先入観に変化をもたらしたようにも感じられる。
理想と現実、期待と失望……私たちは人生の様々な場面でその「ギャップ」を経験する。株式市場も同じだ。理想や期待といったポジティブなイメージがどんどん膨らんだかと思えば、一瞬にして破裂する。マーケットの歴史を振り返ると、そんな展開を何度も繰り返している(詳細は後述)。注目されるのは、最近の株式市況を「コロナバブル(Corona Bubble)」と呼び、警戒する声も聞かれることだ。果たして歴史は繰り返すのだろうか?
膨らむ期待、取り残されることへの恐れ
新型コロナウイルスの感染拡大で世界同時株安が発生したのは、ちょうど1年前だった。その後、各国の株価は驚異的な回復を遂げることになる。日経平均やS&P500は急落前の水準を取り戻し、個別銘柄の中にはテスラやグーグル、モデルナなど上場来高値を更新し続けているものもある。